自分の部屋で寝るという贅沢

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・・・限界。
もう限界だ。
「お母さん。悪いけど今日から自分の部屋で寝てもいい?」
と私は尋ねた。
「いいよ」
と母は答えた。

もともと「一緒に寝てほしい」と頼まれたわけじゃない。
母がときどき夜中に吐くことがあって、私が心配だから同じ部屋に布団を敷いているだけの話。
でも、ちょっともう寝不足が限界に達したのである。
私は眠りにおちるとき誰かがそばにいると落ち着かない。
母もちょいちょい話しかけてくるうえに、近頃はアトピーがひどく、なおさら眠れない夜が続いている。
ここのところ母も吐いていないし、そろそろ自室に戻ってもいいだろうか?

「大丈夫よ。吐いたらAlexaで呼ぶから」
と母は言う。
吐いたら口もきけないと思うんだけど。
不安もあるが、このあいだ買った見守りカメラには動感センサーも音センサーもついている。
大きな動きがあればスマホに通知がくる仕組みだ。猫にも反応するんだけどな。

シシィは母の枕元が好き

自分の部屋でゆっくり眠る。
それはごく普通のなんでもないことに思われるかもしれないけど、私たち在宅介護者にとっては貴重で特別なことで・・・とっても大切なことなのだ。

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