ダイヤモンドゲームに再挑戦

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ちょうど2年前、母はダイヤモンドゲームに挑戦した。(2017年7/1「懐かしい!ダイヤモンドゲーム」)何かオヤジと2人で遊べることはないかと思って。

だが、ダメだった。高次脳機能障害が邪魔をして。半側空間無視のせいで見えなくて。ルールも駒の動かし方も頭ではわかっているのにうまく動かせない。自分のではなく敵の陣地にばかり行ってしまってゲームにならなかった。

あれから2年。もう一回、やってみようと思った。母の高次脳機能障害は2年前にくらべて格段によくなっているから。
・・・だけじゃない。
実はもう1つ理由がある。それはオヤジだ。会社を定年になって毎日ヒマで仕方ないオヤジ。母にかまってほしいのだけど、テレビも音楽も趣味があわないからウロウロしている。ゲームをしてみたらどうかと提案すると2つ返事で用意を始めた。
「えー。私あんまりゲームは好きじゃない」
という母は無視。たまには付き合ってやれよ!

ゲームはまず駒を並べることから始める。2年の前母は一人では並べることができなかったのだが、今回はすべて一人できれいに並べきった。

いざ、ゲーム開始。
駒を1つずつ動かして、盤のむこうがわにある自分の陣地に並べなおすゲームだ。2年前は「自分の陣地」がわからなくて、敵陣にばかり突っ込んでいくから全然、ゲームが進まなかった。

だが、今年は違う。
「おかーさんの陣地は、赤だから、こっち!」
ちゃんとわかっている!
敵陣に突っ込むような真似はしない!
左の方にある駒もまあまあ見えている! すごいぞ、母!やっぱりかなり進歩しているぞ!

序盤はうまくいっているように見えた。母はごく普通に駒を動かしつづけている。
だが私がしばらく用事で離れていると・・・
「かーさん、何するねん!」
オヤジの盛大なツッコミが聞こえた。
「なんでUターンするねん!」
ゲラゲラ大笑いしている。
どうやら母は「赤が私の陣地」ということは理解しているが、赤の陣地は2つあるため、どっちに進めばいいのか途中で混乱してしまい、もと来た道を引き返し始めたらしい。
「えー、間違っちゃったの?」
母はキョトンとしている。
惜しいなあ。あとちょっとなのにな!

また2年後に挑戦してみよう。次に挑戦するときは、きっともっと良くなってて、ゲームを完璧に遊べるようになっているはずだ。私はそう信じてる。

最後はうまくいかなかったけど、母もオヤジも、なんだか楽しそうだったので、いい夜だった。

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