デイサービスの送迎に間に合わない事件

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やってしまった。
ついに、やってしまった。
在宅介護を始めて5年半で初めてのことを。
母が送迎バスでデイサービスから帰ってきたのに家族は留守、という事態。
職員さんがチャイムを鳴らそうが「すみませーん!」と呼ぼうが誰も出ない。家には猫しかいなかった。

徹底的に役に立たない猫

普段ならオヤジがいるはずなんだ。1週間で1つだけ、金曜のデイのお迎えだけはオヤジの仕事。おかげで私は時間を気にせず仕事ができる。

ところが今日はそのオヤジがいなかった。会社を退職するので送別会をやってもらうんだって。朝から聞いてたけど、コロッと忘れてた。

それでもまだ普段ならギリギリ間に合うはずだった。が、運の悪いことに月末だった。月末は仕事が多いんだ。帰り支度をしているとデイサービスから電話がかかってきて
「あっ!」
私は真っ青になった。もうこんな時間! そういえば今日はオヤジがいないんだったー!
「すみません、すぐ帰ります!」
「あのう、他の利用者さんもいらっしゃるので最後になってもよろしいでしょうか」
もちろん、もちろん!
ごめんなさい!
ドライバーさんと職員さんに私は謝り倒した。仕事を増やし、帰るのが遅くなってしまったわけで、同業者としてほんとに申し訳なかった。

いつもより30分ほど遅れて母は帰ってきた。パンツもズボンもびちょびちょだ。長時間バスに揺られたためか? パットもズレていた。ごめんね、おかあさん・・・。
「いいよー。でもちょっと心配しちゃった。何かあったのかと思って」
なんもない。ただ真面目に仕事してただけ。
働くって難しい。

小さな子を預けて働いているお母さんたちは、毎日が本当に大変なんだろうなと思った。

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