このあいだ一人の介護職員が
「やりたいことを見つけてしまいました!」
と言って辞めていった。
辞めてほしくはないんだけれど、これ以上すばらしい辞職理由があるだろうか。
やりたいことを見つけられる人は案外すくない。
そういえば、私にも今やりたいことがある。
やりたいことというか。
片付けたいことというか。
それは、オヤジの部屋である。
オヤジの・・・汚部屋の、掃除をやってしまいたい。
うちのオヤジは自分のことは何ひとつできないボクちゃんである。生まれてこの方、着替えとか掃除とか、身の回りのことはすべて母親やお姉さんや嫁さん任せにしてきたので、母が倒れた時点では自分のパンツがどこにあるかも知らなかったくらいだ。
けれど母が倒れたとき、私は死ぬほど忙しかったので、オヤジの部屋まで構っていられなかった。パンツくらいは探してあげたけど、それ以上は
「自分のことは自分ってやってくれえ!」
と投げた。
こうして片付ける人がいなくなったオヤジの部屋の部屋は、瞬く間に壮絶な汚部屋となった。
もちろん、介護が落ちついてから何度か掃除をしようと挑戦したのだけど、大事なものとそうでないものの区別がつかないため捨ててしまったり、
「掃除掃除てヤイヤイ言うな!」
うるさがるオヤジと喧嘩になったり、いつも中途半端に終わっていた。オヤジ自身も大掃除を試みたが一瞬で挫折した。この5年間でちゃんときれいになったことは一度もない。
私はオヤジの部屋の前を通りかかるたび目をそらし、見ないように見ないようにしてきたのだが。
もうダメだ。
限界だ。
耐えられない。
いくらなんでも汚すぎる!
今朝ふと見ると、オヤジの部屋は廃墟のようになっていた。ゴミ屋敷というよりは廃墟に誓い。脱ぎ散らかした服と、積み上げた服と、古い古いゴルフ道具と、ゴミと、ほとんどゴミみたいな万年床と、破れてボロボロになった何かが積み重なり、その上を雪のような埃が覆っている。ゴミと埃に覆われて床というものは一切、見えない。とてもじゃないが人間の住む部屋じゃない。・・・とりあえず、臭い。
よくこんなところで寝とるなオヤジ!
服の山の隙間からお化けが出てきそうだ。それか大きなドブネズミ。
オヤジはしょっちゅう「シャツがない!」と言って大騒ぎをし、見つけられないから買いに行き、一度着たら服の山の中につっこんで忘れてしまうから、次のシーズンにはまた「シャツがない!」を繰り返す…ということをやっているのだと思う。服の量がものすごく増えていた。
「モノは少ないほどいい」と思ってる私にとって、オヤジの部屋は悪魔の巣である。掃除したくてしたくてたまらなくなった。少しでもなんとかしようと思いたち、ゴミ袋を片手に一歩、魔境に足を踏み入れた・・・
すると!
アトピーが!
喘息が!
発作がおきまくった!
私の体が全身でオヤジの部屋へ入ることを拒否している!
「汚すぎるねん!!!」
思わず叫んだ。
休みのたびに窓をあけているのと、飲食はしないので虫は湧いていないのだけが救い。
次回は予防の薬をのんでから挑もうと思う。
もう、あの部屋ごと全部捨てたい!
・・・本日の猫写真。
どうしてもここで寝る!といってきかない2匹。ここ・・・母の足の上だよ・・・重いからどいてあげようよ・・・
コメント
おとーさんってそんなもんですよねー_(:3」z)_
でも、おかあさんの話し相手やお世話を嬉しそうにしてるじゃないですか! それがおとーさんの役割、どんどんそうやって活用してあげてください^_^
男は褒めて上手に働いてもらいましょ
そんなもんなんですかー!
悪魔が棲みそうなくらい汚い部屋なんですよ!
掃除とか片付けとか異常にできないんで大人の発達障害を疑ってるレベルです。
でもまあ今の男子がこれだと結婚できない気がしますが、団塊の世代にはこういう人が多いのでしょうか。
>男は褒めて上手に働いてもらいましょ
みんなにそう言われるんですけど、なかなか難しくて…