玄関に手すりを

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朝。
私がシャワーを終えて出てくると、玄関にオヤジがゴロンと転がっていた。
仰向けで、足も腰も中途半端に曲がった「体育座りができない人」みたいな体勢で。
「なにやってるの?」
思わず聞いてしまったが、転倒したに決まっている。
「くつを、ぬごうと、した」
ふむふむ、靴を脱ごうとしてバランスを崩して転んだと。
どこか痛い?
オヤジは悲しそうに首を振る。
ぶつけたお尻よりも心が痛む様子だった。

転ぶと一人で立ち上がれないのはいつものことだが、今回は助け起こすのにかなり手こずった。
動画でいろんなやり方を見てるけど、狭い土間ではうまくいかない。
研修で教えてもらったやり方もぜんぜん無理だった。
先生は言っていたっけ。
「一人で持ち上げるのは危険だから助けを呼びなさい」
と。
そりゃあ施設なら呼べるだろう。
訪問介護でも事業所に連絡できるだろう。
だが在宅介護にそんな悠長なことを言っているヒマはない。
私はあと30分で仕事に行かねばならぬ!

ずりずり引きずって方向転換、上がり框に背中をもたれる体勢にした。
オヤジの後ろにまわって「よっこらしょー」と引っ張り上げる。
大きく息を吐きながら。
自分の体重を利用して。
そうしたら80キロのオヤジも持ち上がった。
・・・でも、私の腰がちょっと痛い。

幸い、オヤジは傷心してるだけで、ケガはない。
だがこの玄関は危ないな。
しっかりした手すりが必要だ。

手すりの設置は、補助を申請すれば安くつけられるのだが、秋に住宅改修をする予定なので今回は無理。
自力で設置すれば安あがりだが、下地がどうなってるかよく分からないので危ない。

まずはレンタルの手すりを借りよう。
ケアマネさんと福祉用具の業者さんに
「玄関の置型手すりが欲しいです」
と連絡したら、夕方には持ってきてくれた。

猫は付属していません

靴も、着脱しやすい靴に変えよう。
オヤジがマジックテープを扱えるかどうかわからないし、買いに行くヒマもないから、とりあえずAmazonの安いやつでいいや。
明日か明後日には届くだろう。

それからついでにオヤジのデイを1日増やしてもらおう。
週1では運動も刺激も足りないのだろう。
もうちょっとなんとか元気にやってもらわなくてはいけない。

「急がば回れ」とか「急いては事を仕損じる」などという言葉は私の辞書にはない。
ボヤボヤしてたら2度目の転倒が起きてしまう。
もしくは私が忘れるか、面倒くさくなってしまう。
在宅介護は先手必勝だ。

ただ・・・デイも手すりも・・・毎月の出費が痛いんだよね・・・。

本日の猫写真。
車椅子にひいてほしいシシィさん。

おかあさんお帰り!と喜んでいる

猫ってよく人間の足元にまとわりつくんだけど、うちの子は車椅子のタイヤにまとわりつくから、本当に危ない。