利用者さんでも両親でも、「言った」「言わない」で揉めるのは不毛なことだ。
「さっき言ったでしょ!」
と怒っても。
「そんなこと言ってないです!」
と腹が立っても。
不毛なことだ。
だって覚えてないんだから。
改ざんされた記憶は戻らないんだから。
それは仕方がないことだから。
揉めた時点で負けである。
わかっちゃいるけど、ちょっと疲れる。
ごめんなさいって言うのは、疲れるね。
やれやれ。
近頃、毎日お散歩している。
ヒマさえあればお散歩してる。
昔は走るほうが好きで「ちんたら歩くなんてつまらない」と思っていたのに、トシのせいかな。
それともコロナのせいかな。
今日は、ウサギノオという植物があることを知った。
それとムギナデシコという花と。
公園の林でカケスを見かけた。
この町にカケスがいるなんて!
今の私はコロナと介護に閉じ込められているけれど、散歩にでるたび新しい発見がある。
歩いてまわれる小さな町でも、旅するように歩いていけば、小さな世界を押し広げることができる。
私の散歩は現実逃避なのだということに、最近、気がついた。
散歩は、介護しないでもいい時間だから。
一人きりになれる時間だから。
介護者にとって、現実逃避は大事な仕事だと思う。
自分を大事にしなければ、きっと息切れしてしまう。
寝ても覚めても介護だからこそ。
自分自身を介護から完全に切り離し、リフレッシュする時間を持たなくてはいけない。
本やテレビでもいいけれど。
家を離れることが一番の現実逃避になる。
でも今はどこにも行っちゃいけないから。
せめて近所を散歩して、ちょっとだけ幸せな時間、私だけの大切な時間を過ごそう。
昨日は公園のすみっこに芝生の丘があるのを発見した。
なかなかの急斜面。
緑の壁みたいだ。
足に力をいれて、一気に駆け上がる!
丘の上は太陽でポカポカの花だらけの天国みたいだった。
ごろりと芝生に寝転がる。
ひとりぼっちで寝転がる。
目にうつるのは空と雲とお日様だけ。
世界はこんなにも広くて、私の心は鳥みたいに自由だ。
ヒバリやヒヨドリが近くで鳴いている。
帰りたくないなあ、と思った。
夕飯作りたくないなあ、と思った。
いつまでもここにいたいなあ。
でも黄砂がひどかったので家に帰った。
あと背中がわりとドロドロになった。
本日の猫写真。
サンジが大好きな番組「さわやか自然百景」は毎週欠かさず見ています。
こんど録画してあげようかな。