今年最後のお花見

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お花見に行く?
ときいたら母は「行く!」と即答し、オヤジは「行かない」と答えた。
「歩くのしんどい」
といって。

オヤジは杖があれば歩けるのだが体力がおぼつかない。
疲れるし、時間もかかるし、しょっちゅう転ぶから苦労が多い。
だから出不精になる。
それに引き換え、車椅子の母は
「私は座ってるだけだもーん。楽ちーん♪」
とのんきに笑ってガンガン出かける。
よく「歩くことの大切さ」を聞くけれど、お出かけに限って言えば、中途半端に歩ける人よりも車椅子のほうが機動力があると思う。
転倒や徘徊の危険もないし、介護者のペースで進めるし。
ある意味、介護が楽なのだ。

同じような話で歯の問題がある。
オヤジにはまだ歯がたくさん残っているが、グラグラしたり痛みがあったりで硬いものが食べにくく、お手入れも難しい。
母は総入れ歯だが、たいていなんでも食べられるし、つるっとはずしてポリデントに漬けておけばいいから簡単だ。
「高齢になっても自分の歯で食べよう」
と呼びかける先生方には申し訳ないけれど、在宅介護者的には総入れ歯のほうがずっと介護しやすいと思う。(もちろん入れ歯にも合わないとか紛失するという問題はある)

それはさておき。
今年3回目にして最後のお花見は、小野市の『おの桜づつみ回廊』。
全長4キロ、650本もの桜のトンネルがつづいている。
ちょうど満開で、それはそれは見事だった。

おの桜づつみ回廊

満開

寒くて震えてる

見事だった・・・んだけど。
少し寒かった。

人混みを避けて朝一番に行ったのだ。
朝8時半。
しかも川辺りである。
日差しこそ暖かいものの、冷たい川風がぴゅ~~と吹けば
「寒い寒い寒い寒い!」
母は悲鳴をあげた。
ウィンドブレーカーとか毛糸のポンチョとか、ありったけ被せたんだけどなあ。
車椅子の体感温度は徒歩よりずっと低いから。
もったいないと思いつつ、1kmほど歩いて引き返した。

帰宅するなりオヤジが
「どうやった?楽しかった?」
と聞いてきた。
きっと、ほんとは自分も行きたかったんだろうと思う。私は
「すっごく寒かったし、駐車場から桜並木まで遠かったから、大変だったよ」
と言っておいた(実際はそうでもない)。
「そうか」
ちょっと嬉しそうにオヤジは呟いた。
こんどはどこか、歩かなくていい所に連れていってあげなくちゃね。
「次はお父さんも車椅子に乗っていけばいいやん。双子用のベビーカーみたいな車椅子、ないの?」
と母が陽気に聞いてくる。
・・・それを押すのは、ちょっとイヤだ。

コメント

  1. せめて、電動自転車みたいに補助動力があれば…………
    ダダさんとお母さんが座って、お父さんに押して貰えるかも😸

    • いいですね、電動車椅子!
      と思ったら、私が押してもらうんですか!(笑)
      でもいずれはそうなると思います。

  2. だださん、今晩は。桜、お花見満喫されましたね。こちら北陸も一昨日、史上最速で開花しました。明日、人手を避けて、こっそり夜桜を見に行こうと企んでいます。(笑)
    あっ、だださん、ご報告が…
    本年度、50歳にして介護福祉士、無事合格しました。有難うございます。
    両親共に手術、入退院を繰り返し、通院介助云々ありつつ、介護の仕事もやりながら、家事もしながら、アパートの大家もやりつつ(笑)何とか、一発合格出来ました。有難いことです。
    あっ、パートなんで給料は1円も上がりませんが(笑)
    大変勉強になりましたし、自信になりました。
    だださんやお母様の、人生楽しんだもの勝ち!に、どれだけ励まされたでしょうか!
    御礼をお伝えしたくって、コメントしました。

    • 介護福祉士、合格おめでとうございます!
      先を越されました~。
      私も本当なら今年受験する予定だったんですが、緊急事態宣言になって実務者研修を受けそこねました。
      来年こそはさわ☆さわさんの後を追います!
      それにしてもすごいですね。
      仕事して介護して家事してアパートの大家さん!?
      本気で尊敬します。
      たとえ時給は上がらなくても、これからどんどん頑張ったご褒美が舞い込みますよ。
      神様はきっと見てくれていると信じます。

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