妬み僻み嫉み

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100才ちかい利用者さんに「幽霊って見たことありますか?」と尋ねたら、こう返ってきた。
「あるで。あるけど、幽霊なんか怖いことあれへん。自分が死んだことも忘れてボケーっと立ってるだけやからね。あんたもよう覚えとき。本当に怖いのは、人間様や」

人生の先輩たちはみんな同じことを言う。
「世の中で一番怖いのは人間だ」
と。
味方のふりして近づいて。
掌返しで裏切って。
お金のためなら何でもするのが人間だと。

職業柄、耳にするのは家族間の話だ。
骨肉の争いというものは本当にエグい。
血は水よりも濃いから、恨みだって濃いのである。
介護を押しつけあって罵倒するなんてザラ。
血のつながっていない嫁姑なんて殺し合いである。
遺産が絡むと戦争になる。
お金はあってもなくても争いになる。
男も女も一様に。
妬み、僻み、嫉み、歪む。

「介護は家族で。在宅で」

と綺麗事みたいに政府は言うが。
サザエさんみたいに円満な家族など実在しない。
骨肉の争いをうまくかわせるかどうかが、在宅介護の成否を分けるのではないだろうか。

結論。
介護は人間関係が命。

お風呂のお湯がでてくるの見てる

よく
「私は一人っ子だから全部一人で介護しなくちゃいけないの、つらい!兄弟がいるひとが羨ましい!」
とか聞くけど、私は
「一人っ子なら兄弟と揉めないで済むし、なんなら障害のある兄弟の介護をしないで済むから、むしろラッキーでは?」
とか思ってる。
・・・これも妬み僻み嫉み、だ。