尊敬する利用者さん

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昨日、利用者の家族さんに
「日記、もう終わりなんですって」
と言われて驚いた。
まだ書いてたのかと驚いた。

その方は、最後のときが近づいている方だ。
食べることも話すことも、座ることさえままならないというのに。
そんなになってもまだ書きつづけていたなんて。

梅の季節ですね

その利用者さんは日記魔だ。
90才を越えて尚、
「頭をしゃんとさせておくために」
メモをとりつづけ日記を書き続け、病床にあってもペンを離さない。
その文章は日々の日記というよりエッセイに近いものだそうだ。
毎日、毎日。
書いて、書いて、書いて。
膨大な量のメモが溜まっていくのをずっと見てきた。
わからない言葉や難しい字を辞書で調べ、忘れないように記憶する。
文章を組み立てることで頭がはっきりする。
「ボケ防止です」
と笑って仰った。

でもきっと、ボケ防止なんかじゃなくて、根源的に書くことが必要な人なのだと思う。
誰かが読もうが読むまいが、関係がない。
目的なんかありはしない。
自分が自分でありつづけるためだけに書いている。
だから食べられなくなっても話せなくなっても、病気になっても死の床にあっても、限界まで書き続けていたのだろう。
すごい人だと思う。
心から尊敬する。
私もそんなふうに書き続けていけるだろうか…。

家族さんの許可は頂いているので、次にもしお話ができたら「日記を読んでもいいですか」って聞いてみようと思う。

コメント

  1. 父と同じです
    去年3月末まで毎日日記を書いていました
    4月1日からパタッと書けなくなり、呂律がおかしい、手が震えて書けないと言うので、脳梗塞かとMRIを撮りに病院へ
    結果何もなく、寿命ですと言われそれでは写らない小さな梗塞があったのかもしれません
    まだ日記は全ては読んでいませんが、母が亡くなった後、寂しいと書いてありました
    車椅子で無ければ段差だらけの我が家に外泊させてあげられたのにと思います

    誰かに読んで欲しくて記録として書いてあると思います
    読んであげられたらいいですね
    91歳4ヶ月まで書いていました

    • じーじょさんのお父様もすごい方ですね。
      >誰かに読んで欲しくて記録として書いてあると思います
      そうですよね。
      文章ってそういうものですもんね。
      件の利用者さんは今朝逝ってしまわれたので、直接の許可はもういただけいないんですが、ご家族さんにお許しを頂けないかなあと思っています。

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