やっぱり、おでかけは最高のリハビリだ

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母の退院から一週間が過ぎた。
だが、なかなか元に戻らない。
体力も筋力も食欲も、衰えたままだ。

なにより気力に乏しい。
USJには行きたがるけど、それ以外は全然ダメ。
本さえあまり読まないで
「なーんもしたくなーい」
と、ただただベッドで寝ていたがる。
悪いところは無いはずなのに・・・。
今日は結婚記念日だよ、お父さんとデートでもしておいでよ、と誘っても
「結婚記念日だから家でぼーっとしてる」
なんて言う始末。

こんなのダメだ!
こんなの全然、母らしくない!

コロナ自粛と入院のダブルパンチをくらって、母の気力はやせ細ってしまっている。
閉じ込められすぎたせいだ。
退屈すぎたせいだ。
今、必要なのは、刺激である。

そうはいっても混雑するUSJへ連れていくのはまだ早いと思う(し、お金もかかる)。
代わりに、まずは母の友人に電話をかけて、話し相手をしてもらった。
楽しそうに2時間くらいしゃべってた。

テンションが上がってきたところで買い物に連れていく。
「U子の誕生日プレゼントを選んで!」
と平日のイオンへ。
施設入所中のU子にも長いこと面会できないままだ。
母が選んだプレゼントを送ってやれば喜ぶだろう。
そういうと、母も
「U子の誕生日プレゼントなら仕方ないね」
と言いながら、秋物のパーカーとパンツとシュシュを選んだ。

最後に外食をした。
近頃はすっかり胃が縮んだのか、家でもデイでもあまり食べないが、好きなものなら食べるだろう。
大好きなベーカリーでパンを買い、コーヒーとお気に入りのスイーツはイートインで食べた。

ビゴの店のクロックミル

「おいしーい!」
久しぶりのティータイムに母は感動の声をあげた。
「おいしいねーーー!」
目がキラキラと輝いている。
元どおりの気力に満ちた母の目だ。
「次は焼き肉だね!」
・・・お、おう・・・お金かかるな。

雨のせいか平日のせいか、服を買いにいった店もベーカリーもがらがらで安心できた。母はすっかりマスクにも慣れ(オヤジはすぐに外してしまうけど)、消毒液のポンプを見つけるたびに教えてくれる頼もしさだ(オヤジはうるさく言わないと手洗いもしないけど)。

母を挟み込むにゃんこども

帰り道。
「そういえば、この近所に有名な幽霊屋敷があるらしいよ。夜になると何か出るんだって」
そんな話をしたら、母が
「いいねえオバケ屋敷。住んでみよっか!」
威勢のいいことを言い出した。
「おもしろそう!」
うーん、幽霊屋敷といっても普通の家なら段差があるし、車椅子で住むのは難しそうだねえ。
「大丈夫だよ。段差くらいオバケがなんとかしてくれるよ!ひょいって持ち上げてくれるよ」
そんな親切なオバケいるかなあ。
「だって今どきオバケもバリアフリー化しとかないと、ひとの家に住ませてもらえないよ?」
オバケのバリアフリー化って何やねん!

久しぶりにキレッキレの母トークが聞けて楽しかった。
元通りになるにはまだ時間がかかりそうだけど、それでも確実に少しずつ回復している。やっぱりお出かけは最高のリハビリだな(もちろん感染予防と注意は必要だけどな!)。