デイサービスのお昼ごはんづくり

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「デイサービスのお昼ごはん」と聞いて皆さんはどんな食事を思い浮かべるだろうか。
学校給食のようなもの?
それとも、仕切りのついたお弁当?
やわらかくて薄味でヘルシーで…あんまり美味しそうじゃない?
私もかつてはそんなふうに想像していたから、実際にデイに勤めてびっくりした。
おいしすぎて!

ある日の昼食。鱈のホイル焼き、大根のそぼろあんかけ、菜の花とカニカマみぞれ和え、ちくわのチーズ炒め他

調理師さんが目の前でつくってくれる、あつあつの家庭料理。私が一週間で食べる食事のなかで、デイのごはんがダントツに豪華でおいしい…。

もちろん施設さんによってかなり異なり、弁当のところも給食のところもいろいろあるのだけど、うちはいつもこんな感じ。

だが今日は、ちょっと違った。諸事情により調理師さんがいない。自分たちで昼ごはんを作らなくちゃいけなかった。
「というわけで、今日のレクはお料理です!」
とボスがはりきって宣言した。

それからの1時間半は、まさに戦争だった。
てんやわんやの、ごっちゃごちゃの、ぐちゃぐちゃの、ドタバタだった。
指揮系統が入り乱れ、ボウルと食材がとびかい、途中でわけがわからなくなって、気がついたらシンクが汚れ物でいっぱいになっている。

幸い、うちのデイは比較的軽度な利用者さんばかり。
全員が戦力になる。

「◯◯さん、タマネギみじんぎりね!」
「▲▲さんはじゃがいもむいて!」
「誰かフライパンで炒めることできる?」
「手のあいてる方、皿洗いをお願いしてもいいですか?」
「菜っ葉も切って、菜っ葉!」

ここはもはやデイサービスではない。
普通に厨房であった。
レクリエーションという名の労働であった。

すごいのは、利用者さんたちはみんな元・主婦だから、手際よく切り、炒め、洗ったり片付けたりもしてくださることだ。
「久しぶりだから楽しいよー!」
「家ではこんなん、させてもらわれへんからなあ」
とか笑いながらテキパキ動いてくださる。
もちろんヘルパーが見ているのだけれど、まったく危なげがない。
読み書きさえあやしい人でも包丁はチャッチャと使えるから不思議なものだ(人による)。

そうしてできあがったのがこれ!

さすがに品数は稼げなかった

コロッケです!お皿には2個ずつ載せたけど、みんなおかわりして結局3個ずつ食べた。おいしかったー!

ただ…副菜に…クレームがきた…

「おひたし、ゴマ入ってる?」
「入ってへんなあ」
「いや、入ってるで、ちょびーっとだけ」
「ホンマちょびーっとだけやな」
「見えへんくらいやな」
「誰やこれ作ったのー、ケチケチせずにゴマもっと入れなさいよー」

はい、すみません、犯人は私です…ケチしてごめんなさい。
姑に叱られたできの悪い嫁の気分である。

仕事をサボって寝ていたミー先輩

よそのデイサービスだと重度の方が多いから、もっと大変なことになるだろう。
「あんこを丸めるだけなのに食べちゃったり、あんこ以外のもいろいろ口に入れちゃったり」
するという話をきいた。
・・・まあ、うちの母も、目をはなしたら食べちゃう派だもんな。

本日の教訓。
調理師さんは偉大である。