次の音楽を目指して、まず一休み

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8月末にユース・オーケストラのコンサートを終えた私と母は、9月に入ってからのんびりと過ごしている。
「『次』がないっていいねえ」
思わずそんな声がでた。

・・・これが終わったら、次は。
その次は。
次の次は。

思えば私はいつも「次」のイベントを目指してきた。ウィーン旅行、出版、授賞式、東京、コンサート、次のコンサート・・・目標に向かっていくのはとても楽しいから、気がつけばいつも走っていたような気がする。

走って、走って、走って、・・・ああしんど!
正直、ちょっと息が切れていた。
今は一休みだ。

目指すものがないって、ずいぶん久しぶりな気がする。とくに来年の夏にはコンサートがない。それは確実に寂しいし残念なことだけど、これ以上頑張らなくていい、2人バイオリンで難しい曲にチャレンジしなくていいと思うとずいぶん気が楽だ。

母はオーケストラなど「みんなで弾く」のが大好きだ。でも2人バイオリンはとてもじゃないが合奏向きとはいえない。2人の息を合わせて音を出すだけでも大変で、他の人にあわせるのは至難の業だからだ。まわりが弓をおろしているときに母が1人で音を出しちゃったりするからハラハラする。

これからはもう、ハラハラしないでいい。
周りに迷惑をかけると心配しなくていい。
私たちは私たちのペースで弾けばいいのだ!

なんだか楽しくなってきた。
「次は何の曲を練習しよう?」
私たちだけで弾く曲だよ。ソロの曲。誰かに「弾いて!」って言われたらすぐに弾けるような十八番をつくろうよ。
「耳馴染みがあって弾きやすい曲がいいね。ユーモレスクとか。ジブリはどうかな。アイネ・クライネは難しいかな? そういえば梅ちゃんがカノンを一緒に弾こうって言ってたから、これも練習しなくちゃね。あとドッペルも。どれからやる?」
すると母は
「うーん」
と考えて
「今日はお休みにしよう!」
と言った。
ああ、そうだった、一休みするんだった。私はすぐにはしゃいで忘れてしまう。休憩するって難しい。

そのあと猫といっしょに昼寝をしたら、何をする気も失せてしまって、ゴハンつくるのがむちゃくちゃ面倒くさくなったから、インスタントで済ませた。休むって難しい。

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