昨日はデイサービスの仕事だった。
午後からのレクは、おやつ作り。おからパンケーキを作ろうということになった。普段は先輩が一緒なのだけど、昨日は入浴介助だったので私ひとりだ(うちは小規模なので職員が少ない)。心配したボスが
「あんた一人でできるの!?」
と聞くから
「大丈夫です!」
と答えた。
お休みの方や入浴中の方もいて、利用者さんもたった5人だし。
それに、パンケーキだよ?
材料を量って混ぜて焼くだけやん!
まずは材料を量りましょう。
Aさんは小麦粉の係。スケールで量ってくださいね。
Bさんはバター担当。切って30gにしてください。
Cさんは牛乳。計量カップで250cc、よろしくです!
「小麦粉な、よっしゃ!」
「え、切るの? どれを?」
「計量カップで何すればいいの?」
ああっ、この牛乳、古くなってるううううう!
Cさんちょっと待って、新しい牛乳出しますからこっちで量ってください!
・・・初っ端化から大騒ぎをした。
混ぜるのは身体の強い方にお願いする。
Dさん、これで混ぜてください。
「わかったでえ!」
Eさん、ボウル押さえてもらえますか。
「はい!」
・・・よかった、混ぜるのは大丈夫みたい。
「あ、これも混ぜるんかいな?」
あああ、古い牛乳は入れないでええ!
・・・油断大敵である。
なんとか生地はできた。
あとは焼くだけである。
だが。
「これでええのん?」
利用者さんが怪訝な顔で尋ねてきた。
「ほんまにこれでええのん?」
「えらい硬くない?」
えーと。
おかしいのなあ?
お皿洗いをしてくれているボランティアさんが見かねて声をかけてくれた。
「大丈夫? ちゃんと材料ぜんぶ入れた?」
もちろん入れましたよ?
おからに小麦粉にバターに卵・・・あっ、お砂糖入れてない!
慌てふためいていたら、利用者さん(けっこうな認知症の方)がおずおずと瓶を差し出してくれた。
「あのな、これはどうしたらいいのん?」
あーっ、新しい方の牛乳!
牛乳も入れてないんだ!
「そりゃあ硬いはずやでー」
「しっかりしいやー」
「気ぃついて良かったなあ」
利用者さんたちはやれやれと笑った。
危なかった・・・
本当に危機一髪だった・・
あのまま焼いたらとんでもないことになっていただろう。
私は利用者さんとボランティアさんに百回くらいお礼を言った。
砂糖と牛乳を入れたらちゃんとパンケーキらしい生地になった。いよいよIHヒーターで焼くのである。
フライパンに生地を注ぐのは利用者さんにやっていただくが、万が一の心配もあるので、ひっくり返すのは私がやることにした。
だが今までが今までなので、皆さん気が気でない。
「プツプツって穴があいてきたらひっくり返すんやで」
「まだやで、まだやで、・・・ほら今や!」
ずーっと横から覗いてタイミングを教えてくださった。
私と利用者さんが2人3脚で生地を焼いているあだいにもテーブルの反対側では問題が発生していたらしい。ボランティアさんと、入浴介助の終わった先輩が駆けつけてなんとかしてくれていた。
なんとか皿に盛りつけ終わった頃、ボスが再び顔を出した。
「できた?」
ええ。
まあ。
なんとか…。
利用者さんとボランティアさんのおかげで。
「どっちかっていうと、私がいないほうが良かったかもです」
報告するとボスは大笑いしていた。
本当に。
私なんて。
ヘルパーなんて。
いなくてもいいんだ。
あんなふうに仕切ろうとしなくても良かったのだ。
皆さん主婦だから、自分の子供の数を忘れてしまっても、パンケーキをひっくり返すタイミングは覚えてるんだから。
今度は最初から教えてもらいながらやろうと思った。そのほうがミスがない。
ボランティアさん、利用者さんありがとうございました。
情けないヘルパーですが次はがんばります!
本日の猫写真。
写真撮るの忘れたけど、おからパンケーキはめっちゃおいしかったです。