真冬の一日

スポンサーリンク

雪が降った。
ほんの少し積もった。
ほんの少しだけど、母はデイを休むことにした。
「今日は雪だからね。寒いからね。行かなくていいよね」
要はサボりである。

週に4日のデイサービス。
もう何年も通っている。
これからまだまだ何年も通うのだ。
たまにはサボらないと嫌になってしまうだろう。
母は一日のんびりと、暖かい室内で本を読んで過ごした。私は職場と家とを行ったり来たりして働いた。

撮りそこねちゃったけど、水鳥がいた。干上がりかけた池に餌を探しにきたのだろう。野生の生き物は大変だと思った。

それにひきかえ、うちの猫たちと来たら、夏でも冬でも「おやつくれ」しか言わないなあ。・・・あ、私もか。

話は変わる。

我が家はやたらとポジティブな家族である。母がスーパー天然ポジティブで、いつでも「今が一番楽しい」という。脳性麻痺の妹も、施設で幸せそうに笑って暮らしてるし、海外住みの妹も、子供たちと人生を楽しみまくっている。そして私はご覧のとおり。まあ、のんきなもんだ。

例外はオヤジである。我が家でただ一人のネガティブ。

何かをやる前から「どうせダメだ」しか言わないし、「どうせダメだから努力なんかしない」「どうせできないから計画なんて立てない」。この性格でよくあの母と結婚できたなと思う。

おだててみようと思って「このあいだのチャーハン、おいしかったよ!」と褒めてもやっぱり「ダメだあ」しか言わなかった。何がどうダメなのか、何度きいても分からない。何がなんでもとにかくダメなんだって。困ったもんだ。

私だって落ち込むことはあるけれど、常にネガティブな言葉しか出てこないのって、疲れるだろうなと思う。・・・ねえ、何か、ないのかな? これだけは、っていうモノは。自分を好きになれるものは。
するとオヤジは意気揚々とこう言った。
「あるで! 博打大好き!競輪、競艇、競馬、なんでもするで!」
・・・うん。やっぱりダメだわ。このオヤジほんとダメ。我が家の経済状況が一番ダメ。おばあちゃんの幽霊とか出てきて叱ってくれないだろうか。

うきうきと競輪に出かけていくオヤジの後ろ姿を見ると、私は真冬の野生動物みたいな気持ちになってしまう。何か掛け持ちできる仕事ないかなあ…。

コメント

  1. 博打好きのネガティブ父ちゃん大変だぁ
    野生の生き物たちも大変だぁ(;’∀’)

    • 父ちゃんほんとに大変なんですよー馬鹿につける薬があったら教えてくださいな…。