営業終了後のデイサービス

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デイサービスは、利用者さんが帰ったあとも仕事が多い。

まずは洗濯。お風呂で使った山のようなタオルを洗濯機で洗う。次に台所の片付け。湯呑やお皿をこれも山のように洗う。それから掃除。トイレやお風呂、縁側も散らかっていたら片付けなくちゃいけない。

このあいだは掃除中に石を見つけた。軒下の、猫のミー先輩のお家のちょうど真下に落ちていたのだ。

不自然にデカイ石である。
「ああ~これねえ、前からあるのよ。誰かが置いてったみたい」
と、ボスは言った。誰が置いていくんだこんな石。

よくよく見れば、立派な石である。
キレイな石である。
まるで結晶みたい。

ていうかこれ結晶じゃないの?
名のある鉱物じゃないの?
石のこと全然しらないけど、買ったらお高いヤツじゃない?
軒下で猫のオシッコかけられてるの、もったいなくない?

と言ったら、ボスは早速、石を玄関に飾った。

「じゃーん!」

うん、立派な感じになったのはいけど、鉱物って毒のあるやつもあると聞く。これ飾って平気なんかなあ。まあ誰も触らない場所だけど。

仕事の最後には、記録をつけがてら一日の反省会や報告をやる。◯◯さんのお風呂での様子がどうだったとか。△△さんと●●さんはウマが合わないみたいだから気をつけて、とか。

「そういえば、裁縫箱、整理してくれたの? ありがとう、すぐに糸がグッチャグチャになっちゃうんだよねえ」
「裁縫箱は◯◯さん(利用者さん)が片付けてくださったんですよ。グッチャグチャが耐えられないって…」
「そうなんだ! いいのにね多少グッチャグチャでも使えれば。私あんまり気にしたことなかった」
「私も」
「私も」
「アカンやん」
「そんじゃ今度から◯◯さんに片付けてもらうことにしよう」
「いいんですかそれで」
「いいんじゃないの、これもリハビリってことで」
(会話は架空のものですがだいたいこんな感じ)

ものすごく適当な反省会をしていたら、気配を感じた。

ミー先輩が部屋まで入ってきている。

「わたしのゴハン、忘れてない?」

ミー先輩は半野良である。地域猫と呼んだほうがいいのかな。だいたいいつも庭先にいて、利用者さんに「いらっしゃい」「またきてね」の挨拶をするのが日課。めったに中に入ってくることはないのだが、今日は外が寒かったせいか、リビングまで入ってきて私たちの会話をじっと聞いていた。

「珍しいねえ」
「ミーさんもスタッフの一員だから話に参加したいんだろうね」
「日本語わかってるもんね」

私たちは微笑ましく思っていたのだが、そこへ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴー!

ロボット掃除機(ルンバみたいなやつ)が容赦なく襲いかかってきた。

「ウミャーッ!」
ミー先輩はびっくり仰天、大慌ててで走って逃げていってしまった。
ごめんね・・・。

本日の業務は以上で終了です。

コメント

  1. いつも楽しみに拝読させていただいております。
    鉱物は、多分水晶系の結晶と思います。六角形の結晶体が見れますもんね。
    水晶は邪気を払うのにもいいですから、どうぞ洗って玄関に飾ってあげてくださいませ。

    これからもお体大切に、仕事&介護&そしてだださんの時間も楽しんでくださいね。

    • もおすけさん、ありがとうございます。
      鉱物ぜんぜん知らないんですけど、やっぱり水晶っぽいですよね?
      問題は中にある黒い方の石で、調べてみたら輝安石っていうのに似ている気がします。気がするだけですが。
      水晶は邪気を祓うんですか。
      利用者さんが皆さん元気でいてもらえるように、そしてうちのデイが潰れないように(笑)パワーをもらえたらいいなあと思います。

  2. 鉱物がとても美しいですね。何も害がありませんように。

    個人的な話ですが、母がデイサービスに通っており、元気が出てきたように思えます。
    予定表や連絡帳を見ていると、いろいろ工夫をこらして頂いているようで、ありがたい限りです。プラス、見えないお仕事がたくさんあるんですね。
    デイサービスの職員さん方のおかげで、母のように元気が出る人、私のように働ける人もいるのではないかと思います。大変かとは思いますが、頑張ってくださいね。

    • ありがとうございます。
      名前もわからない石ですが、触らなければ大丈夫かなあと思っています。
      利用者さんを始め玄関の石なんて誰も見向きもしないので(笑)

      お母様、お元気になられてよかったですね。
      今はデイサービスも増えていろいろな種類や個性があるので、その方に合ったデイに出会えるのは幸せだと思います。
      訪問の仕事に比べるとデイは利用者さんの笑顔を見られることが多く、私自身もいっぱい笑えるので本当に楽しいです。
      たくさん笑っていただくために、もっと元気になっていただくために、頑張って働こうと思います。

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