サンジの薬をもらいに動物病院へ行った。
 「寒くなりましたが体調はどうですか」
 と訊かれた。
 ・・・今ひとつです、寝不足がたまっているようで、と私は答える。
 「お正月疲れですか?」
 ・・・ええ、親戚の子供がいるもので。
 「それはストレスがたまりますね。猫さんは子供が苦手な子が多いものですから」
 ・・・いえ逆です。
 子供たちが好きすぎて、ついつい遊びすぎちゃうんです。
 「それじゃあ仕方がないですね」
 お医者さんは笑っていた。
サンジもシシィも、昔にいたアジャリも。うちの猫たちは姪っ子たちが大好きだ。逃げるどころか子供たちのそばを離れない。5才の龍ちゃんがどんなに暴れてもサンジは平気で膝にのる。シシィは椿にごはんをもらい、梅ちゃんにおやつをもらう。そんなだから、ついつい昼寝を忘れて遊んでしまうのだ。
子供たちが出かけるとき、シシィは窓から寂しそうに見送っている。後追いして鳴いたりもする。
 私はシシィにきいてみた。
 「あの子たちのこと好き?」
 するとシシィはまばたきをした。両目をキュッと細めて、ゆっくりと開く。
 「ほんとに好き? やんちゃ坊主の龍ちゃんも好き?」
 シシィはまた反応した。『龍ちゃん』という言葉に目を見ひらき、それからゆっくりと目をつぶった。
 「だいすき」
 って言ってるんだと思う。
ちなみに近頃のシシィのマイブームは「布団掘り」。布団をぐっちゃぐちゃにしながら犬のように掘りまくっている。畳を掘り返してボロボロにした前科があるシシィだ。じきに羽根布団にも穴があくことだろう。ほんとやめてほしい。




