大人とは何だろうか。
私が思うに、大人とは、子供の夢を叶える事ができる存在ではないだろうか。
今日、私はひとつ大人になった。
ひとつ夢を叶えたからだ。
・・・これで!
クッキングトイと呼ばれる子供むけのおもちゃだ。おもちゃだけれど、本物の食材を使うことで、本物のお菓子をつくることができる。もちろん、ちゃんと食べられるお菓子だ。
昔から食いしん坊だった私は、こういうのがとても欲しかった。だってこれがあれば、シュークリームの山だって築けるんだよ!? でも、本格的なクッキングトイが流行りだした頃にはもうそれなりの年齢だったから、恥ずかしくて買うことができなかった。
でも。四十路半ばになった今。ついに手に入れたのだ!
先週のデイサービスのバザーで500円のところを値切って400円でゲット!やったあ!
「え、これ子供用のだよ?ほんとにいいの?」
って言われたけどいいの。
昔やりたかったことを今やろう。
人生に遅すぎることなんてない。
さて、おばちゃんがクッキングトイでシュークリームづくりに挑戦だ。商品じたいは10年近く前のもののはずだけど、新古品だからきれいなものだ。説明書だってついてる。説明書・・・マンガで書いてある。おばちゃんには、わかりにくい。
まずはカスタードクリームを作る。材料(牛乳・卵・薄力粉・溶かしバター)を量り、本体に入れる。小さな軽量カップもついているが、おばちゃんには小さすぎて目盛りが見えないという若者専用のシロモノであった。
そして、ここからがメイン作業。本体の可愛らしいハンドルを回し、グルグルと混ぜるのだ。説明書のマンガでは子供が楽しそうに「グルグル~」とかいいながら回しているが、現実はそう甘いものではない。なにしろぜんぜん混ざらないのだ。
説明書には「左30回、右30回」とか書いてあるが、その3倍回そうが、卵黄を叩き潰そうが、いっこうに混ざらない。
・・・ええい! まどろっこしい!
途中でキレて泡立て器で混ぜてしまった。
次にシュー生地だ。
これもカスタードと同じく材料を入れてハンドルをグルグル回すらしいが、もう面倒になってきて最初から泡立て器で混ぜてやった。おばちゃん、腱鞘炎にはなりたくないねん。
ええ感じにトロンとなった生地をオーブンで焼くのだが。
生地を形にするための「型紙」がついていた。
この形どおりに生地を置けばクマさんや白鳥さんのシュークリームができますよ!ってわけ。
でも、おばちゃんは白鳥さんとかどうでもいいので適当に並べた。
オーブンで焼くこと30分。
母は
「あんまり期待しないで待ってるわー」
とか言っていたが。
予想をはるかに超えた事態が待ち受けていた。
なんと!
シュークリームが!
ふくらんでいる!
いやあ、まさか、ふくらむとは思わなかった。
だって、おもちゃだよ? しかも私かなり雑だよ?
実はぜんぜん期待してなかったんだ。どうせペチャンコになるんだろうと思ってたし、この記事のオチにも「シュー生地にクリーム入れられねえ!」とか書くつもりだったのに。なにふくらんでくれてるの!?
ほんとに普通にシュークリームができちゃったわ。しかもカスタードが死ぬほど甘いの。子供向きだからこのレシピ。
あ・・・考えてみれば私、ほとんどこのトイ使ってない・・・ぐるぐるせずに泡立て器つかったし・・・計量カップも家のを使ったし・・・型紙は無視したし。レシピだけでよかったな。
結論。
おばちゃんにクッキングトイは必要ない(知ってた)。
少女時代の夢を叶えて、ひとつお婆になった瞬間であった。
コメント
おお~、いいじゃないですか。
シュー生地は難しいというのに、だださん料理上手ですよね。
このセット、欲を言えば機材がプラではなく「本格派のミニチュア」みたいな感じだと嬉しいかなと個人的に思ってしまうのですが、これは(マニアックな)大人の発想ですね。
「ママクッキー」を捨ててしまったことが、今でも悔やまれるオバチャンのコメントでした。
ありがとうございます。
完全にビギナーズラックです。
>このセット、欲を言えば機材がプラではなく「本格派のミニチュア」みたいな感じだと嬉しいかな
本物のミニチュア!そそられますねえ~。
でもそうなるとお値段まで本格的になってしまうでしょうね(笑)
うちにはたしか「ママレンジ」がありました。
おもしろすぎる~~~ヽ(^o^)丿
結局役にたたなかったようではあっても
夢を叶えた達成感は本物です!!
楽しんで頂けてよかったです。
役に立たなかったわけじゃないんですよ!
まあ、ぜんぜん混ざりませんでしたが(笑)
おもちゃのレシピが優秀だったおかげでちゃんと膨らんだのですよ。
よく考えられています。