在宅介護におけるスマートスピーカーの問題点

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母の部屋にAmazon Echoとスマートリモコンを導入してから2週間が過ぎた。うんまあ、それなりに便利だ。でもちょっと面倒くさいと思う時もあって…どんなモノでもそうだけど、長所と短所があるものだ。

スマートスピーカー&スマートリモコンの便利な点

・手を使わなくても家電操作ができる
自分で動くことが難しい母でも、声で命じるだけで照明やテレビ、エアコンの操作ができる。私自身も、デイの送り出しで忙しい朝など両手がふさがっている時に「アレクサ、テレビ消して!」と声で指示するだけで済み、ちょっと楽だ。

・暇つぶしにつきあってくれる
このあいだ母が大騒ぎしてるで見にいったら
「今アレクサとじゃんけんしてるの!」
と喜んでた。音声でじゃんけん?と思ったけど母は楽しそうに遊んでいる。眠れない夜に本を読んでもらったりもしているみたいだし、暇つぶしの道具にはなるようだ。

・おかえりを言ってくれる
帰宅して、「アレクサただいま!」と言ったらすかさず「おかえりなさい」と応えてくれる。これって案外、嬉しいものだ。一人暮らしで寂しい方にはいいかもしれない。長時間一人で過ごしていると、声をださないため、喋る機能が衰えてしまうという。たとえ機械が相手であっても声を出すことは体にも脳にも良いんじゃないかな?

・好きなときに音楽が聴ける
好きな曲を探すことは難しいけれど。「昔みたいにCDを出し入れする手間がない!」と母は感動していた。

・電話代わりにつかえる
母は電話が使えないが、アレクサのコミュニケーション機能なら音声操作のみなので、私と通話することができる。一番重宝している機能だ。

・何度でも同じ質問に答えてくれる
母は毎朝「今日の予定は何だっけ?」と尋ねるのが癖。今日はデイサービスだよって答えるだけなんだけど毎朝だから、めんどくせえなって思う時がある。だが今では母はアレクサに
「今日の予定は?」
と尋ねるようになった。うちのアレクサはカレンダーアプリと連携しているので、
「今日の予定は1件。9時から◯◯デイサービスです」
と教えてくれる。当然だけどアレクサは、何度同じ質問をしてもキレることがない。機械ってすばらしい。

一方、問題点もいろいろある。

スマートスピーカー&スマートリモコンの不便な点

・呼びかけに反応してくれない
スマートスピーカーを使うには、いちいち「OKグーグル!」とか「アレクサ!」とか呼びかけなくちゃいけない。これが時々うまくいかない。名前、なんだっけ? と忘れることもある。こっぱずかしくて呼べない人もいるだろう。好きな名前にカスタマイズできればいいのに。「ポチ」とか「たま」とか和風な名前で呼べたらいいな・・・と言ったら母がすかさず
「ゆづるとか?」
好き名前をぶっこんできた。それはやめてあげて。

・家電のリモコンの使い勝手が微妙
家電を音声操作できるのはとっても便利なんだけど、主電源がオフになっていると使えない。たとえば照明を壁のスイッチで消してしまうと音声操作できないのだ。壁のスイッチは常にオンにしておかなくちゃいけない。また、うちの場合はテレビ操作にかなりタイムラグがあって指示が通ったのかどうかわかりづらい。

・指示を聞き取ってもらえないことが多い
発音不明瞭だったり途中で噛んじゃったらアレクサは聞き取ってくれない。母は入れ歯をはずした後はなかなか苦労している。そのくせ、たまにテレビの音声をひろって勝手に本を読みはじめたりする。

・とんちんかん!
まだまだ進化途中、というか発展途上のスマートスピーカーだから、時々とんでもないことを言う。このあいだ
「ヴィヴァルディの『四季』をかけて」
と頼んだら、ヘビーメタルのヴィヴァルディ?を流されてビックリした。なんでそのチョイスなの? ふつうヴィヴァルディの四季っていったらクラシックやん!
また、母が
「古希って何?」
と尋ねたときは
「koki(キムタクの娘さん)」
について教えてくれた。
やっぱりアレクサは若者寄りなんだなあと思った。もっと高齢者向けの知識やコンテンツも学習していただきたい。

・条件が1つしか指定できない
アレクサの機能(定形アクション)は便利だ。たとえば『「おはよう」と言ったら、照明をつけて朝の爽やかな音楽を流す』ということができる。

だが、母が寝ぼけて、深夜に
「おはよう」
と言ってしまっても、アレクサは必ず「おはようございます!」と意気揚々、灯りをつけて朝の音楽を流してしまう。たとえそれが午前2時でもだ。「午前6時~7時の間に」「おはようと言う」とか条件を複数つけられれば安心なんだけど。

本日の猫写真。

 

サンジとならんでお昼寝中のシシィさん。アレクサがめっちゃお喋りするので、シシィがときどき「声の主はどこにいるんだろう?」と探しています。