母の買い物

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先日、服を買いにアウトレットへ行ったら、母の大好きなブランドが撤退していた。母はすっかり落ち込んでしまい、機嫌をとるために別の店でお手頃なセーターを買った。それで落ちついたように見えたのだけど・・・
「やっぱりもうちょっと気に入ったお洋服がほしいわ」
と言いだした。
言い出したらきかないし。
うるさいし。
仕方がないから阪急へつれていく。

さっそく店員さんがやってきて、
「どういう服をお探しですか?」
と尋ねた。
母は張り切って答える。
「花柄で、ふんわりしたの!」
・・・70才にして赤毛のアンを目指すつもりか?
「では、こちらはどうでしょう」
「このお色はいかがですか」
店員さんはいくつもいくつも見せてくれた。
だけど母は
「それは地味すぎるわねえ」
「もっと華やかなのがいいな」
「もっとハデなほうが」
・・・極楽鳥を目指しているのか?

母の母、つまり祖母もハデ好きであった。遺品整理をしていたら、タカラヅカみたいな総スパンコールの衣装が何枚もでてきたくらいだ。母もだんだん似てきたのだろう。幸か不幸か総スパンの服は置いておらず、どれもこれも地味すぎると言いつづけた母だったが、最後に店員さんが見せてくれた赤いカーディガンをひと目見て
「これがいい!」
ようやくお気に召したようだ。

だが残念なことにMサイズしかない。母はここ3年くらいでかなり太ったので着られるかどうかかなり微妙だ。
「大丈夫!ぜったい着られるから!」
握りしめて放さないから、買うことになった。

帰宅してさっそく袖を通してみる。
「ほら、着れたでしょ!」

なんかいろいろ台無しな感じ

えええ・・・
ボタン閉まらないよ・・・?

それでも母はいいと言う。
「ボタン留めるのは一番上だけにしましょう」
と言いながらニコニコ笑っている。
とっても幸せそうである。
足の皮膚病は治らないし、デイは今ひとつつまんないし、私は怒ってばかりいる。楽しみな東京旅行へ向けて気持ちを上げていくために、母にはこの服が必要だったのだろうと思う。

ただ・・・
ひとつだけ・・・

このあいだのセーターと合わせて・・・
私の財布が・・・
悲鳴をあげています・・・。

黄昏つつある私の財布の気持ち

コメント

  1. 幸子さん、ご無沙汰しております。 東京(というか実際に住んでいるのは千葉県ですが)の長尾です。 お母様と一緒に東京にいらっしゃることがあれば、遠慮なくメールかフェイスブックでご連絡下さい。 小生の車はミニバンタイプですので、車椅子も楽に積むことができます。 11月はインド、ネパール方面に旅行に行くのでダメですが、それ以外でしたらいつでも東京をご案内出来ます。

    • おおおおお、長尾さんじゃないですかー!
      お久しぶりです。といってもFacebookは拝見しております。
      東京もうすぐなんですが、予定が定まっていないので…
      声かけてくださってありがとうございます!
      次はインド・ネパールですか。
      いいですねーカレー漬けの日々(笑)
      ネパール寒いですからお気をつけて!

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