母70才、要介護5、パスポートを10年で更新しました

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来月タイに行こうと思ったら、パスポートの期限が近いことに気がついた。更新(正確には切替)をしなければいけない。そう話したら
「私もいっしょに更新するわ!」
と母が言った。
「もちろん10年で!」

パスポートの有効期限は5年か10年かを選ぶことができ、10年のパスポートにすれば母は80才まで渡航できるようになる。正直、母の身体状況はこれ以上よくなる見込みはないのだから、海外旅行は年々、難しくなっていくだろう。

でも
「パスポートなんて、もう、いらないでしょ」
「5年でいいんじゃないの?」
なんてことは私には言えない。

『先入観は可能を不可能にする』
大谷翔平選手が好きな言葉として紹介されていた。
本当にそのとおりだと思う。
「どうせできない」
という思い込み、先入観をもつことが、可能性をつぶしてしまう。

車椅子だから。
要介護だから。
オムツしてるから。
体がつらいから。
高齢だから。
だから「旅行なんて行けない」と、頭から思い込んでいたら、絶対に行けやしない。
実際に行けるかどうかはともかく、パスポートを手放してはいけないのだ。

「10年後に更新すれば90才、その次にまた更新したら100才だね、すごい!」
母は嬉しそうに笑っている。この人は何をしでかすかわかったもんじゃない。

・・・ただ。
パスポート更新の手続きはあまり簡単ではなかった。

まず書類。ほとんどは私が代筆できるが、どうしても本人のサインが必要な箇所がある。法定代理人でもいいはずだがいろいろ説明するのが面倒くさい。

母の場合、文字は書ける・・・名前くらいなら書ける。でも高次脳のせいで、決められた空欄に書くことはかなり難しい。むちゃくちゃ歪むし、枠からはみ出しまくる。「はみ出さないように」って言われても無茶だ。

こんな薄いオレンジ色なんて見えにくいよ!

 

そこで書類の上に白紙を重ね、空欄のところだけ四角く切り抜いた。

雑。

「この窓の中に名前を書いて」
これなら少々はみ出しても白紙に書いちゃうだけだから良いだろう。

母はすごい頑張った。

すごい頑張ったけど・・・やっぱり少しはみ出した!
しかも「浩美」の「美」の字がなんかおかしい!

「ほんとにいいんですか? はみ出したところが切れちゃいますよ」
って係の人に言われたけどかまわない。今の母にこれ以上きれいな字はかけない!
それにこれはパスポートの署名欄だから、少々のことは問題ないはずだ。

次に写真。
パスポート用の写真。

皆さんは証明写真ってどこで撮りますか?
写真屋さん・・・は綺麗だけど高い。それに家の近所の写真屋さんがつぶれてしまって近くにないのだ。もちろん申請所の近くにもあるけど時間がかかる。できれば事前に用意しておきたい。

私は「証明写真ボックス」で撮った。町中にある、自販機みたいな証明写真を撮る機械。これなら数百円で済む。が、これも母には使えない。車椅子ではボックスの中に入れないからだ。

そこでスマホアプリを使った。証明写真用のアプリがいくつもある。私は『コンビニ証明写真 Bizi ID』を使った。

背景が無地になる場所をえらび、ガイド線の中に顔が入るように撮ればいい。

木目があるからこの背景はダメです

母は麻痺のせいで、まっすぐに上げることが難しいのと、角度によっては車椅子のハンドルが写りこんでしまうので苦労したが、なんとか撮影終了。スマホをコンビニに持っていき、プリントすれば、200円で済ませることができた。安い。

ただ、素人が撮るのだからやっぱり写真は汚い。上の画像でも分るとおり、光が入ってしまう。パスポート写真に光や影は許されない。この写真は使えませんと断られる可能性もあった。

が、係のひとが
「光が…?」
と言いかけたとき
白髪です!
と言い切ったらOKもらえた。いや、ほんとに白髪だったんだけどね?

混んでいたので1時間半ほどかけて申し込み終了。帰りに三宮の街を少しだけ歩き、ランチを食べた。
「ああ、来週、また取りに来なくちゃいけない。めんどくさいな」
と思いながら駐車場へ向かう。そこでもっともっとめんどくさいことが待っているなんて、思いもよらずに。

・・・次回へ続く!

コメント

  1. えっと…
    それは、多分、タイ旅行が無事に成功する為の前払い(厄落とし)ってヤツですか?

    • そうそう!そうですよね!きっとそう!
      日本で事故ってから行けばタイでは事故らない!はず!

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