ウルトラライトダウンベストをあきらめた話

スポンサーリンク

介護と服の関係はなかなかに悩ましい。母の場合、前開きのものが着せやすい。姿勢がわるいので首元が開いたシャツはダランとしちゃうし、スカートは着せてあげることができない。本人の好みはなかなか叶えてあげることが難しい…。本当はもっとお洒落を楽しんでもらいたいんだけど。

このあいだ、ちょっと羽織れるものが欲しくて、母とユニクロに行った。
私は長袖を買うつもりだったのだけど
「これ! これがいい!」
母が目を留めたのはベストだった。ウルトラライトダウンのベスト。
「絶対にこれがいいよ。かっこいいもん!」
私がいくら「他のも見ようよ」って言っても、もう聞かない。袖がないから動きやすいし、あったかそうだし、重ね着もできるし、まあいいか。着せやすいようにLサイズを買おう。色はもちろんピンク一択。
「いいのが買えたね! 明日これ来てデイに行こう!」
母は大喜びだ。

で。
次の日。
買ったばかりのダウンベストをデイサービスに着ていこうとしたのだけど・・・。

着替えを終えた母をトイレへ連れていったとき、それは発覚した。
トイレから立ち上がらせるときに違和感を感じたのだ。
ちょっとだけれど。
なんとなく。
いや、やっぱり。
どうしても。
「手が滑る!」

そのダウンベストはつるつるした生地でできていた。触り心地がよく、つるりつるりと・・・手が滑るのだ。立位の介助は、ズボンの腰と背中を支えるのだが、ベストの背中にまわした手がちょっと滑って不安だった。この生地は危ないと思った。

 

介助の人が手を滑らせたら大変だから、これを着てデイサービスに行くのはやめておこう。ごめんね。」
そう伝えると、母はガックリとうなだれた。可哀想なくらい、うなだれた。
すっごく楽しみにしていたのに。
新しいベストを皆に見てもらおうと思ったのに。
可愛いピンクなのに。
・・・おかあさん、ごめんね。買う前に私が気づくべきだった。

明日は台風でどこにも行けないけど、ダウンベストを着て過ごそう。写真に撮って孫たちに見せよう。

本日の猫写真。

シシィは白いブーツを履いてるにゃん!

コメント

  1. お洒落さんにとってお気に入りの服で外出は、この上なく
    楽しいことですから、どんなに残念だったか、
    お母様のお気持お察し申し上げます。
    お母さまへ、
    どうか次のお買い物で、ばっちりリベンジしてください
    ませ。

    • せっかく買ったのにねえ。。。
      私が介助するぶんには大丈夫だと思うので、デイサービス以外では活躍しそうです。
      母は、次はもっと可愛いものを買ってもらおうと虎視眈々ですが。

タイトルとURLをコピーしました