なぜ実の娘の介護は怖いのか

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デイサービスで耳にした会話。
「うちの娘ね、とっても良くしてくれるんだけど…とってもありがたいんだけど…怖いのよー。すぐ怒るの。私がなにか言っても、ポンポンポンって言い返されちゃうの!」
「わかるわー」
「うちもうちも!」
「私も娘に怒られてばっかりやあ」
「どこの娘もいっしょやなあ」
おばあちゃんたちはケラケラと笑った。

ああ。
耳が痛い。

実の娘が主介護者になると、お互い遠慮がないためか、つい言い方がキツくなってしまう。私だってそうだ。トイレコールが続けば
「今行ったばっかりやん!」
と、つい強い声を出してしまう。
「ほんとにもー!」

「なんで娘いうのは、あんなに怖いんやろな?」
おばあちゃんたちの話はつづく。
「子供の時にいっぱい怒られたから、今頃やり返してるんちゃうやろか」
「優しいとこもあるんやけどなあ」
「けど基本的には、怖いな」
「なあ、ヘルパーさんはどう思う?」

突然ふられてびっくりした。
「なんで娘いうのは怖いんやろか?」
それは。
それは。
私は自分のことを省みて、答えた。
・・・甘えてるんですよ、と。
私もそうですけど、『お母さんはこれくらい許してくれるやろ』って、どっかで甘えてるんですよ。
「そうかあ」
「姑と違って気ぃつかわへんからなあ」
「いつまでたっても子供やなあ」
はっはっは、とおばあちゃんたちはまた笑った。
ごめんなあ、お母さん方…。

本日の猫写真。
フローリングの冷たさを全身で堪能するシシィさん。

ごろごろー。
ごろごろー。
今日も暑かったね。

障害者施設の送迎車にとりのこされた方が熱中症で亡くなった事件。ありえなさすぎて驚いた。大型バスかと思ってたけど、ワゴン車だし乗っていたのはたった4人だという。人手がなくてバタバタしていたとしても、普通なら絶対に気づく。普通なら絶対に探す。でも普通じゃないことが重なって、ありえない事態に至ってしまうのが事故というものなのかもしれない(事故なら。でもこの場合は過失致死か)。施設であれ家であれ、介護というのは人の命を預かることなのだと、覚えておくしかない。

コメント

  1. だださんこんばんはー!

    うわ~、ほんま耳痛いわ~・・

    そっか、甘えなんですね、なるほど。かわいいもんや。(笑)
    私は何てことないことで夜中に起こされると「うるさいっ」とか「もーっ!」て言って父とケンカになるんですけど、母に「私は自分のお父さんにうるさいとか言うたことないわぁ~」と言われ、それを姉に言ったら「だっておじいちゃんはうるさいって言われるようなこと言う人と違ったもん」と返事があり、なるほどと思ったのですが、そうこうしている間に母も父に「もーうるさいっ!」て言うてましたね~。「お母さんのお母さんはおじいちゃんにうるさいとか言うたことないやろ」ってニヤニヤしながら言うてしまいましたよ。まあ基本が仲良しやからほんま、許されると思ってるような気がしますな~~。
    うちの父は母の言うことはききますが私の言うことはききませんねえ・・母のことは怒らせたら怖いと思ってるみたいですけど、これまた娘はなんでも許してくれると思っているフシがあります。私は怒ってもその場限りであとは普通に戻るんですけど、母は怒ったらしばらくプンスカしてますしね。

    • >まあ基本が仲良しやからほんま、許されると思ってるような気がしますな~~。
      そういうことなんですよねー。
      仲良しじゃなかったら怖いどころの話じゃなくなります(笑)
      うちは本気で怒ることってまずありませんが。
      >娘はなんでも許してくれると思っているフシがあります。
      お父様は逆にpierre小姐さんに甘えていらっしゃるのですね。
      >夜中に起こされると「うるさいっ」とか「もーっ!」て言って父とケンカになるんですけど、
      これは分かります(笑)。
      起こされるのって辛いですからね。
      何の用かと思ったら、ただ「おやすみって言いたかっただけ」とか、よくあります。

  2. 甘えてます。思いっきり。ついつい声を荒げたりしちゃって、ほんと、なんて私ったら!!しょーもないことでいちいち!と、思います。

    • 怒ってもいいんですよーって私が言うことじゃないですね(笑)
      しょうもないことでは怒っても、大事な所では常に笑っていたいと思っています。

  3. 甘えている、なるほど、実の親子だからこそですね。
    今度、長姉がコボしてきたら、そう言ってやります。
    怖いと言いながらも果敢に(無謀に、とも)娘と戦うところは、
    だださんが書かれたお母さま方と、たぶん異なる長姉…
    怪我の後遺症を抱えるようになってから愚痴っぽくなった90超えは、
    理屈屋の同居娘との丁々発止をやめません。
    愚痴は表向きで、ひょっとしたら楽しんでいるのかも。
    会社員やりながら身のまわりのあなたが出来ないことをやってくれる
    のはあの子、入院・通院時の世話もあの子、
    そもそもそういう気性の子、それがあなたが育てた子、
    いい加減に観念しなされと
    面白がりながらかれこれ10年近く、下の姉と私はお説教しているん
    ですがね。
    ただ、負け戦に知恵を絞る90超えの頭の体操に、親娘論争は
    少なからず役立っているんじゃないかと思っています。

    • お姉さま、負けておられないのですね!
      親子喧嘩もいい刺激になって良いのではないでしょうか。
      なんだか微笑ましいです。
      丁々発止ができるのは仲が良い証拠。
      本気で仲良くないところは最低限しかコミュニケーションをとりませんからね。
      >そもそもそういう気性の子、それがあなたが育てた子、
      本当だー(笑)
      親子ってやっぱり似ますからね。