雷が鳴ると興奮する猫

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夜中に嵐が来た。
バケツをひっくり返したような雨が降り、暴風が窓を叩いている。
ついには稲妻がピカリと光り、

ドオーーーーン!

ものすごい音がした。

次の瞬間、隣室から猫が走ってきた。
「ンニャアアアアアア!」
鳴きながら私に走ってきたのは、シシィだ。尻尾を太くして、かなり興奮状態で。私のひざにとびのってきた。
・・・もしかして、あんたカミナリが怖いの?

ピカリ!
ドオオオオン!
ゴロゴロ!

するとシシィは
「ニャオン」
しきりに何か訴えてきた。
でも、怖がっている風でもない。
何を言ってるんだろ?

そのあとも雷鳴のたびにシシィは鳴いた。
「ニャオン、ニャオン、ニョオオオ」
「ニャアウー!」
「ミギャー!」
ああ。
わかった。
怒ってるんだ。
アタマに来てるんだ。

「ちょっと何よこの音!うるさいんだから!」
どうやらシシィは私が雷を鳴らしていると思ったようだ。まだ生涯2度めの雷だもんな。よくわかっていないんだ。だから私にこう命令しているんだろう。
「あんた、あの音、止めてきてよ! うるさいんだから!」
・・・いや、知らんがな!

走り回ってニャンニャン鳴くシシィを、サンジは遠くから冷ややかな眼差しで見つめていた。


朝になって
「雷がうるさくて眠れなかった」
という人がいたけど、私とサンジはシシィがうるさくて眠れなかったよ…。

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