傷をめぐるミステリー

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デイサービスから帰ってきた母をトイレに連れていったときのこと。

足に傷ができていることに気がついた。左の太ももだ。細いがくっきりとした傷で、長くて赤いみみずばれになっている。ちょっと痛そう。
「この傷どうしたの?」
と母に訊いても
「知らない」
と首をひねる。母には左半身の感覚がまったく無いから、ちょっとしたケガくらいでは気づけないのだ。

実はこの左の太ももの傷は以前からちょくちょく出来ていた。でもこれまでは小さなひっかき傷なのであまり気に留めていなかった。車椅子の乗り降りでどこかにぶつけたのだろうと。

でも、今回は明らかにデイサービスに行っている間にできた傷だった。朝、出かける直前にトイレに行ったときにはなかったから。

とりあえずデイサービスの連絡帳に傷のことを書いておいた。看護師さんと介護士さんとで一生懸命に原因を探ってくれたみたいだけど
「気づきませんでした」
「はっきりとした原因はわかりませんでした」
という答え。

母は3つの事業所を利用しているから、3つともにその傷のことを尋ねたのだが、どこも同じような反応だった。
「左手がだらんと下がったときに爪で引っ掻いたのでは?」
いやいやいや。完全麻痺した左手でそんなに強く引っ掻けるわけがない。
「猫ちゃんの爪では?」
デイサービスにシシィはおらん! それに分厚いズボンの上から爪をたててみみずばれができるような、そんなキッツい猫はうちにはいない、と思う。

・・・もしかして。
もしかして、お風呂?

デイサービスでは必ず入浴させてもらっている。機械浴だ。リフトのベルトとか、入浴介助用のベルトとかが太ももに、地肌にこすれるはずだ。ベルトは柔らかい生地で覆ってあるので普通なら傷なんかできるはずがないけれど、もしかしたら、小さなささくれでもあるのかもしれない。可能性は低いが。

・・・でなければやっぱり車椅子の肘掛けにでもぶつけてるのかな。

とにかく猫のせいではないと思う!
なあ、違うような? サンジ! シシィ!

濡れ衣を着せられたことも知らず、猫たちはウトウトしておる。
相変わらずサンジは隅っこへ追いやられている気がする。

シシィ「あたし眠いの」

そうだねえ。今日もいっぱい遊んだもんね。また玄関マットがぐっちゃぐちゃになってたもんねえ。ホットカーペットもぐっちゃぐちゃにされて断線したのか点かなくなってたもんね。誰があんなに潜りまくったんだろうね。

シシィ「あたし眠いの」

いいよもう寝なさい。

「でもまだ遊びたいのー!」

寝ろよ!

コメント

  1. だださん
    毎度です。
     
    ミステリー傷。あるあるです。
     
    妻のひざに引っかき傷が何度か続いたことあります。
    みみずばれではないですが、赤く血が点々となって。
    猫はいませんが猫にひっかかれたみたいな・・。
     
    妻のシャワー浴や車椅子への移乗は私しかしていないので
    全責任は私にあるのですが、
    まったく思い当らないし、妻も「わからない」
    きっと痛いはずなんだけど・・。
     
    今はないので、確かにミステリーでした。
     

    • ミステリーな傷ってよくあるんですよね!
      思いがけないところに(顔とか)青あざとか。
      1回きりなら良いんですけれども、何度も同じところに傷がつづくと不安になりますよね。
      「痛い!」
      と言ってくれれば分かるんですけど、それができないから…。
      原因が不明だと防ぎようもない。
      奥様のミステリー傷は止まったのなら良かったですね。