「花は偉いな」
と言ったおばあちゃんがいた。
「毎年、季節がきたら葉っぱのばして、ちゃんと咲く。どこに種が落ちるかは運次第やから、ひどいところから生えてくる花もおんのに、与えられた場所で文句もいわず、ちゃんと咲こうとする。ちゃんと頑張る。偉いもんや。偉いもんや」
家族に恵まれないおばあちゃんにとって、庭の花々は家族みたいなものだろうと思う。毎日、花に話しかけている。
「ちゃんと頑張るって、大変なことやで」
おばあちゃんは続ける。
「人間は足があるもんやから、しんどいことがあると、すぐ逃げ出そうとする。口があるもんやから、腹がたつと、人に告げ口をしたくなる。黙ってちゃんと咲いてる花をみると、わたしなんか、あかんなあ、あかんなあ、って思うよ」
逃げず、怒らず、黙ってちゃんと咲く花に。
・・・私もそうなれるように頑張ろう。
我が家の庭にも牡丹が咲いた。
我が家の庭は放置された野草の王国である。
水さえやらない。
バッタが多い。
ミントでさえ枯れてしまう恐ろしい庭なのである。
そんなサバイバルな環境にあっても、牡丹も芍薬ちゃんと咲こうとしている。
ほんとに偉いと思う。
本日の猫写真。
・・・ちょ、ちょっとシシィさん!
お腹、すごすぎない!?