痛いの痛いの、とんでいけー!

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朝一番に帯状疱疹のお薬をもらった母。
デイサービスは
「しんどいから、お休みするわ」
というので休ませた。
痛み止めは効いているので、痛いからというより、この機に乗じてサボりたかったのかもしれない。
それでも帯状疱疹は休息が大事だと聞くし、正直デイってコロナ的に微妙なところだから休ませた。
私はまたひとつ仕事を休むことになってしまったけれど・・・。

そんな母が、今、熱心に読んでいるのがコレだ。

赤毛のアン。電子書籍版。
図書館で借りてきた本を読み尽くしてしまったので、タブレットで読んでいる。

最初は
「ええー、電子書籍? タブレット? 読めるかなあ」
などと言っていた母。
・・・忘れているのか。

数年前、高次脳機能障害がひどかった頃、電子書籍の『赤毛のアン』を音読することで字を読む練習したのだ。身体が動かない、バイオリンが弾けないと嘆いていた頃だ。『赤毛のアン』はたくさんの悲しみを忘れさせ、現実逃避させてくれた。

母の子供の頃からの親友であるアンなら、帯状疱疹の痛みを忘れさせてくれるだろう。

電子書籍って、文字が大きくなるから実は高齢者向けです

もうひとつ! 母にとってはロキソニンに負けないくらい効果のある痛み止めが存在する。それは、孫だ。妹に頼んで、可愛い子どもたちの声を音声ファイルにして送ってもらった。

「おばーちゃーん!」
「痛いの痛いの、とんでけー!」
「遠いお山にとんでいけー!」

元気いっぱいの声をスマホに持ち歩き、痛みを感じたときに聞かせる。母は嬉しそうに笑いながら
「とんでったー!」
と答える。
病は気から・・・効き目は短いけど。

そうそう、Amazonのオーディオブックが2ヶ月無料キャンペーンやってるらしいからから、それもぜひ試してみようと思っている。アレクサで本を朗読してくれるやつ。以前に一度だけ、ハリー・ポッターを読んでもらったことがあるが、風間杜夫の声で聞き惚れちゃったのだ。やっぱり俳優さんてすごいなあと。

麻痺をも貫く帯状疱疹の激しい痛みは、しばらく続くだろう。
気分転換をさせようにもコロナで外には出られない。
なんとか、家で楽しく過ごしてもらう方法を、全力で考えなければと思う。