ワンピースを買いに

ワンピースを買いにいった。夏物のワンピース。明るくて、華やかなのががいいな。
・・・いや、私のじゃない。私がワンピースなんか着たら恥ずかしくて死んでしまうだろう。そうではなくて、妹の。プレゼントである。

服を買うのが大好きな母がこの機会を逃すはずがない。もちろんいっしょに買いにいく。
今日はU子のだけだよ。おかーさんのは買わないからね、と念を押すと
「わかってるって」
ニコニコ笑顔の母。
が、案の定、
「おかーさんはこれが好き！」
「この色、私にどうかしら」
と自分の好みばかり教えてくれる。でも今日は母のは買わないのだーーー！

何軒か店をまわって、母はようやく
「U子にはこれがいい！」
プレゼント向きのワンピースを発見した。でもちょっと可愛すぎるような。若すぎじゃない？ 悩んでいると店員さんが声をかけてきた。U子と同世代だったので他のも見せてもらったり、いろいろ相談したが、結局、
「U子にはぜったいこれが似合う」
と母が言い張るので最初のワンピースを買った。空色のふわっとした可愛いワンピース。

もうすぐ、U子が入所している施設でコンサートがある。U子も歌うはずだ。ワンピースは本番用の晴れ着というわけ。本当は自分で選ばせてあげたいんだけど、U子を迎えにいくのも買い物をするのも、なかなか難しい。だから私たちが買った。気に入るといいな。
「もっとシックなのが良かったのに！」
って文句言うかもしれないけど。
母が選んだのだと言ってやればきっと黙るだろう。
介護する側としてはワンピースは面倒なのだが、施設に電話して尋ねたら「大丈夫ですよ」って言ってくれた。年に一度のことだから。
「あれを着たらU子はきっとすっごく可愛いよ！」
母は嬉しそうに言った。
可愛いといいな。
喜ぶといいな。

本日の猫写真。

お気に入りの猫じゃらしを頭からかぶって何か言ってるサンジ君。

「遊んでニャー！」

どうやら発情期がきたらしく、男の子のサンジは落ち着きません。一人で走りまわっています。シシィは寝ています。