今日は久しぶりに両親だけで外出した。母が所属する団体のイベントがあり、どうしても出席しなくちゃいけない。私は仕事なので
 「よっしゃ俺が」
 とオヤジが連れていってくれることになった。
ちょっと前までは2人でよくお出かけしていたのだ。毎週金曜はデートの日だった。2人だけで神戸まで行ったことさえある。だが今のオヤジはぜんぜん頼りにならない。
やっぱりオヤジもトシだし、病気があるから。
 体力がなくなってるから。
と、言ってあげたいところだが!
 問題はそこじゃない。
 「母を放りだしてお酒を飲んでしまう」
 ことにある。
 オヤジはいつも酔っ払って寝てしまい、途中から母を放置する。水分補給もせず、トイレにも連れていかず、私が帰宅したら悲惨なことになっていた、なんてことが何度もあった。だから本当はあまり頼みたくないのだけど。
今日はどうしてもオヤジに頼むしかなかった。
 「任せとけ!」
 オヤジは自信満々。
午後、仕事の合間をぬって一旦帰宅すると、両親はもうイベントから帰っていた。
 ・・・おかあさん、大丈夫だった?
 「うん、楽しかったよ!」
 母は元気に返事した。よかった。無事だった。
 ・・・おとうさん、私はあと2時間くらい仕事があるから、お母さんのことよろしくね。ちゃんとトイレに連れていってあげてね。お酒飲まないで。
 何度も念押しすると
 「わかった!」
 オヤジも元気に返事した。
だけどやっぱり返事だけだった。
 2時間後、最後の仕事を終えて帰宅すると、母は薄暗い部屋に一人で座っていた。
 「なんでこんなに暗いのー!」
 びっくりして探しにいくと、オヤジはやっぱり酔っ払って寝ていた。
 ・・・ねえ、おとうさん、トイレ連れてってくれた?
 「えっ? トイレ? あっ、忘れてた!」
この「忘れてた」は
 「トイレに連れていくことを忘れてた」
 のではない。
 「母さんのことを忘れてた」
 のである。
 だから飲まないでって言ったのに。
 「私のことを忘れるなんて、ひどーい!」
 母は激怒している。
 まあ今回は短時間だから無事だったけどさ。
 なんで飲んじゃうんだろうなあ…。
本日の猫写真。
 オモチャに夢中の猫2匹。
丸い布の下を、ヒモがすばやく走りまわるんですよ。
 出たり入ったりする動きがネズミのしっぽみたいなので猫はみんな夢中になります。とっても楽しそう。
そのかわり…玄関はだいぶグチャグチャにされるんですけれども。