先日、『地球の迷子』を譲ってほしいとメールをいただいた。自費出版した旅行記だ。だいぶ前の本だから、近頃ではその存在すらすっかり忘れていたくらいだ。著者ですら忘れているような、こんな昔の文章を読みたいと言っていただけることがとても嬉しかった。
日記魔の私は、旅行中でもずーっと文章を書いていた。…いや、逆だ。文章を書くために旅をしていた。今もぜんぶ残してある。18才で初めての海外でエジプトに行ったときの記録。モンゴルで死にかけたときの記録。初めての一人旅。トルコで大地震に遭ったときのこと。
他人からみればくだらないことかもしれないけど、いつでも私は必死で書いていた。楽しいことも悲しいことも、悔しかったことも泣いたことも、ぜんぶ書き残す・・・今と同じだけど、今よりずっと弱虫だった頃の私の言葉。
そうなのだ。今でもヘタレだけど、若い頃の私は今の10倍もヘタレで、泣き虫で、打たれ弱くて、ひねくれ者で、人間嫌いで、ネガティブだった。一人旅を始めた頃は情けないほどずっとメソメソしていたものだ。
でもあの頃の旅が今の私をつくったのだと思う。旅をしたから今がある。どうしようもなくヘタレで泣き虫の私が、一つ一つ、何かを学んでいったからこそ今がある。
アナログ時代の日記はメモ帳に書きつけている。シャーペンの文字は薄いからじきに消えてしまうだろう。若い頃の言葉が消えてしまう前に、どうにかデジタルにして残しておきたい、旅の言葉をまとめておきたい。
そう思いついて3日ほど前から「まとめの旅行記」を書き始めたら!
すごく楽しくなってきちゃった。
近頃は介護日記しか書くことなくて、ちょっと飽きてたから、というのもあるし、旅行記を書きたくても今はなかなか旅に出られないから、ということもある。とにかく
「文章を書くのって、こんなに楽しかったんだ!」
って思うくらい楽しんで書いている。寝る間も惜しんで書いている。久しぶりに腱鞘炎になりそうだ。
たぶん、これが私の一番の趣味なんだと思う。文章を書くことは、介護と両立するほとんど唯一無二の趣味だから。
自己満足の旅行記なんてつまらないものだし、貴重な経験とか全然なくて下痢と迷子の情けない話ばっかりなんだけど。いつか完成したものを誰かに読んでいただけたら、嬉しいかもしれない。
本日の猫写真。
遊んでほしいシシィさん。遊んであげないと、かなり拗ねます。