私は毎日いろんな方を話をする。介護する人、される人。父親、母親、息子、娘。嫁、姑、祖父母、孫。いろんな話をする中で、ときどきイラッ!とする言葉がある。
それは
「男性だからできない」
という言葉だ。
典型的なのが以下のパターン。
要支援に認定されたおばあちゃんの家がとっても汚い。
「家事はぜんぶ私一人でやってるの」
と言う。掃除機をかけるには体が辛いんだろう。同居の息子さん(独身)は家事をしないんですかと尋ねると
「男だから、できないわよ」
若い人はともかく、中年以上の世代には、家事にまったく手をつけない男性も多いのだ。
「男だから家事なんかできない」
と。
男だから、じゃないよ。
できない、じゃないよ。
やろうよ!
やらなくちゃダメだよ!
・・・と思います。それと同時に、おばあちゃんに対しても、正直
甘やかしすぎやねん!
と、思ってしまいます。
自分が仕込まなかったくせに
「娘ならよかったのに」
とか言わないであげて!
「私が死んだらあの子どうすればいいのかしら」
知るかー!
とか思ったら隣室から
「母さん、お茶!」
と息子の声。
「ハイハイ、今いくわ」
ハイハイじゃないよ、お茶くらい自分でとりに来いよ息子! あんた元気やん!
「ヘルパーさんって料理もお願いできるの? 息子は味噌汁もつくれなくて」
えっと、息子さんが味噌汁つくれる人だったら介護保険つかわなくて済むってことですか?
(上記はいろんな話を総合したフィクションです。)
男は仕事、女は家庭。
そういう時代だったから。
「男子厨房に入らず」の文化だったから。
だから男は家事ができない。
そんな言い訳が許される時代ではないのである。
うちのオヤジは65歳から料理を始めた。
認知症のおじいちゃんだって、奥さんが倒れたら家事をがんばってる。
男性だって家事はできる。
もちろん、できることと、できないことはある。得意・不得意も、向き・不向きもある。でも、必要最低限のことはやったほうがいいと思う。せめてお茶くらい自分で淹れろと思う。掃除機の使い方くらい知っておけと思う。大人なんだからさ。
もしかして、家事ができる中年男性が増えたら、ちょっとは介護保険の節約になるんじゃないの?
本日の猫写真。
サンジをなでなでしてると、背後のシシィが
「あたしも!あたしもナデナデしてほしいのに!」
という視線を送ってきた。
コメント
息子さんの「お~い、お茶」は、やはり甘やかしや面倒見過ぎが
招いた状況でしょうね。
専業主婦当たり前時代の余韻と申しましょうか。
あたしゃ愚息がそんな態度を取ろうものなら、タダじゃ置か
ないぞ~(笑)
でも、なかにはいらっしゃるんです、知らず知らずのうちに
息子イノチになっているお母さま。
親子間では目覚めない場合が結構あるかも知れませんが、昨今は
マメな男性をよく見聞きします。
ご近所や友人たちの家庭を見ていても、マメでやさしいお父さん
の方が多数派です。
ふんぞり返っていたら、今時はゆくゆく恐ろしいことなるやも
知れず。
実際、うちのダンナ変わった、すごい関白だったのに、と言って
いる友人もいます。
夫が何もできないまま、しないまま老境が射程距離に入る頃、
パワーバランスが激変すること多々。
危機感が行き過ぎると、濡れ落ち葉になってしまうのかも(笑)
ほんとにねえ、最近は主夫もよくいらっしゃいますし。
定年後にマメになる男性も多いようで、両極端なんでしょうね。
たとえ奥さんが亡くなって一人になったとしても、何もしない人は何もしませんから。
>危機感が行き過ぎると、濡れ落ち葉になってしまうのかも(笑)
濡れ落ち葉になっちゃっても可哀想ですが(笑)
息子さんの場合は引きこもり問題とかもあるようで・・・。
「お茶!」ってやってる息子さんも実際にいたそうですよ。
全体的には、孝行息子さんのほうがずっと多いんですけどね。