あした天気になあれ!

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明日、久しぶりに家族みんなで「お泊まり」することになった。旅行と呼べるほどのものじゃない。車で1時間もかからない、温泉も何もないホテルに泊まるだけ。泊まって朝ごはんをたべて帰るだけ。健康で身軽な人が聞いたら「なんだそれ」ってあきれるかもしれない。

でも私たちにとっては、それは特別なこと、わくわくすることなのだ。両親と私と妹と、4人でホテルに泊まるなんて。

これまでは余裕がぜんぜんなかったのだけど、私が働きだしたことで、ちょっとくらい贅沢をしてもいいかなと思えるようになったのだ。

たった一泊とはいえ身障者が2人となると荷物が膨大だ。オムツとパットとリハパンと、お尻ふきと防水シーツ、ゴミ袋、食事用のエプロン、タオル、毎食後の薬、ペティナイフとお箸とスプーン、余分の着替え…。
「車だから楽ちんだよね。いっぱい持っていけるもん」
と、自分ではなんにもしない母が言った。

明日は妹とオヤジが車でドライブを楽しみ、私と母は電車で向かい、ホテルで落ち合う予定になっている。
「せっかくだから街歩きしたいよね!」
「お買い物もしたいしね」
「どこ行きたい?」
私と母は昨日からずっとそんなことを話してる。
「わくわくするね!」

近場だって、一泊だって、温泉もないホテルだって、楽しいお出かけには変わりない。母が倒れてから私の住む世界は小さく縮んでしまったが、小さいからこそ、細かいところまでよく見えて、キラキラと輝きを放つことがある。今がそうだ。

私たちは一泊きりの「お泊まり」をそれはそれは楽しみにしていた。

ところがだ。

昨日の夜、オヤジが。
「風邪、ひいてしもうた・・・」
えげつない鼻声で言い、つらそうに咳きこんだ。食欲もないようだ。
「風邪薬のんでさっさと寝て!」
母が叫んだ。

今日は少しマシになったらしいが、こころもとない。最悪の場合、私が一人で母と妹を連れていくことになるだろう。1人で2台の車椅子・・・うっわ、めんどくせー!

低気圧も来たようで激しい雨も降っている。天気予報によれば朝には止んでるはずだけど、これもちょっと気になるところ。

あした天気になれーーー!