情けないことに、最初に気づいたのはデイの職員さんだった。
連絡帳に書いてくれていたのだ。
「背中に赤い発疹があるようです」
と。
なのに私はスルーした。
肌は強いほうじゃない。高齢になるとよくわからないブツブツが出てくるもので、小さな発疹なんて、あちこちにある。「ちょっとかゆい」というので、乾燥肌かなと思ってワセリンなんか塗っていた。数が増えたときは「また蕁麻疹か」とも思った。
それが昨日になって、
「あれ? 一個だけ水ぶくれになってる」
と気がついた。
水ぶくれははじめてだ。
だがその水ぶくれもやっぱり「痛くも痒くもない」というし、土曜日だから様子をみようと思った。
そして今朝。
水ぶくれと発疹がきれいに整列している。
しかも、背中から胸にかけて半身ぐるーっと広範囲。
「これって・・・」
愕然とした。
「帯状疱疹やん!!!」
遅い。
遅すぎる。
間近で見るのはは初めてだが話にはよく聞いていた。帯状疱疹は「ものすごく痛いもの」と聞いていた。ところが母の場合、「痛くも痒くもない」というから信じて疑いもしなかった。
ああ。
痛くも痒くもないないはずである。
症状がでたのは、麻痺側なのだ。
母は脳出血の後遺症で、左半身に強い麻痺がある。左手足が動かないばかりか皮膚感覚もない。触れられてもわからないし、蚊に刺されても感じない。そのせいで、普通なら強く感じるはずの帯状疱疹の痛みにも鈍かったのだ。
そのことに、どうして気づかなかったんだろう!
介護を始めて7年目だというのに。
私はなんて馬鹿なんだろう。
あいにく日曜日。
病院は開いていない。
コロナ騒ぎのこの時期に、救急病院に行くなんて怖すぎる。
明日、在宅医の先生に来てもらうように頼んだ。
昼頃に
「なんでだろう。背中がかゆい」
母が首をひねりはじめたので、
「乾燥肌だよ」
とごまかしておいた。
だが、かゆみは夜にはとうとう痛みに変った。一部分だが痛みを感じ始めたらしい。
・・・どうしよう。
と思ってたら、孫からLINEがかかってきて、
「かわいい声をきいたら治ったー!」
と言っている。
麻痺側のせいで痛みをあまり感じないのは幸いなのかもしれない。
早く治るといいなあ・・・。
おかーさん、気づかないでごめんな。
コメント
気にしなくても大丈夫かもです。
私も同じ経験あります。
その時、皮膚科医に聞いたのですが、「痛くない帯状疱疹もよくある」そうです。
私も要介護5の母の帯状疱疹に気づいてあげられなくて(触っても痛みなさそうで)、自分を責めましたが、「痛みがない場合も珍しくない」と皮膚科医に聞いて安心しました。
でも、当時の訪問医は、ちょうど往診に来て、赤いポツポツ見てましたが、母に痛みがなさそうだったためか、何もわかりませんでしたよ。
医師でもわからないから仕方ないです。
優しいお言葉、ありがとうございます。
痛くない帯状疱疹ってあるんですね。
発疹がでても、痛みの訴えがなければわからないですよね。
なんだろうとは思いましたが結びつかなかった…。
ずっと痛くないままだったら良かったのですがー!
家族だからこその見落とし、油断を補うために、介護職スタッフの連携が有るんです。
勿論、直ぐにピン!と来て即応できるに越したことはないですが、だださんはお仕事もしてらして、手のかかるお父上も増えて、猫たちも構ってくれと暇さえあれば寄ってくる、チョコアイスも食べなきゃいけない(笑)
気の休まるところがないと思います。
そんな微に入り細にわたる介護者であるのは理想ですが、最善を尽くしていることも充分評価に値します。
気がつくのが遅れたのは残念ですが、それはそれで反省して、次の対応を考えるようにしていきましょう。
お母さま早く治りますように。
そうそう、チョコアイスも食べなくちゃいけないから忙しいんです(笑)
観察眼に欠けるのが私の欠点だなあと反省しました。
あちこちに気が行っちゃって、見ているようで見てないんですよね…。
情けない限りです。
・・・などと言ってても仕方がないので、同じことを繰り返さないよう肝に銘じます!
こんにちは。
だださんのブログ、応援したり、感動をいっぱいもらって、私も在宅看護頑張ってます。
私は看護師ですが、先日、帯状疱疹にかかりましたが自分で気が付かず、受診してお医者さんに言われました。強い痛みじゃなく、違和感でした。
同僚の看護師も腰痛と思って、整形外科でMRIまで撮りましたが、原因がわからず、一昨日かかりつけの内科で帯状疱疹と言われました。
私たち結構長く看護師してますが、そんなもんです。
お母様が早く元気になられますように。だださんも無理せず、ね!
プロフェッショナルな看護師さんでもわからないなんて!
帯状疱疹て難しいもんですね…
じゃあ初めて間近で見た私がわからなかったのも仕方がない…
ということにします!
ありがとうございます!