在宅介護でもっとも大事なリハビリとは

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もうじき家族が退院し、在宅介護が始まるという方からこんな質問があった。
「家でどんなリハビリをしていますか?」
・・・お恥ずかしい話、やってないです。
最初の頃はたくさんやっていた。やろうとしてた。座位、立位、ストレッチ、ボールやタオルを使ったトレーニング、各種脳トレ。鏡をつかったリハビリなんてのもあったなあ。

でもほとんど続かなかった。ストレッチと立位だけは3年くらい頑張ったけど、発症から3年も経てば身体的な向上はほとんどみられないから止めてしまった。今はほとんど何もやってない。だって面倒くさいし楽しくないんだもん。

身体のリハビリはもちろん大事だ。とっても大事。
でも在宅では、リハビリよりもっと大事なことがあると思うのだ。
それは「楽しむこと」。
在宅介護においては、生きることを楽しむことが何より大事なことではないだろうか。

私の母も妹も、脳に障害がある。2人とも重度の障害で、2人とも「これ以上よくなることはない」と医者に言われていた。妹は「大人になるまで生きられない」とまで言われていたのだが、今やふてぶてしいアラフォーだし、私の顔さえわからなかった母もパソコンでブログを書くまでに回復した。

脳はとても神秘的だ。刺激を与えると、まだ生きている部分が損なわれた機能を補おうとする。

そのとき必要な刺激はなにも病院で受けるようなリハビリに限らない。
笑うこと。
しゃべること。
食べること。
飲むこと。
お気に入りの服を着ること。
ノリノリの音楽を聴くこと。
大きな声で歌うこと。
料理をすること。
友達に会うこと。
生活のすべて。

在宅においては生活のすべてが脳への刺激であり、リハビリになる。そして笑顔の多い生活はリハビリ効果も大きい。逆に悲しかったり精神的なショックなことが起きると、妹はてんかん発作が起きるし、母は妄想をみて、高次脳機能障害が悪化する。心と身体はしっかりとつながっているのだ。

連なって眠るシシィ・サンジ・オヤジの3人組

だけど、本にも書いたけど、やっぱり、「お出かけは最高のリハビリ」だと思う。
新しい景色。
新しい空気。
新しい喜び。
世界は毎日、毎日変わる。
脳にとってこれほど大きな刺激はない。
健常者にとってもそれは同じだ。

つまりですね。
母のリハビリという名目で、明日は花見に行こうと思います。

コメント

  1. 普段通りの生活が即ちリハビリですよね。
    そうは言っても、退院したからと言って全部が元通りにできる訳ではないので、どうしても家族は見ていられず、あれこれ手伝ったり、無理させまいと手を出してしまいますが、なるべく手を貸さず、時間が掛かっても失敗しても諦めず自分でできるようにサポートに徹する。
    汚れても洗えばいいんだから、時間が掛かっても出来るまで付き合うから、家族の方がそんな風にどーんと構えられるかの方が大事だと思います。
    そして、出来なくても過剰に応援してプレッシャーにならないように、出来た時は言葉を省略せず、たくさんたくさん褒めて差し上げて欲しい。
    リハビリは大切ですが、思うように成果が出ないことも多々ありますから、そこはあまり結果を求め過ぎず、ご本人も家族もそこそこハッピーで過ごせることが望ましいと思います。

    因みにうちの婆さまはデイのレクやゲームで腹筋使ったり上腕動かしたりして、うちではほとんど寝ていますがそれでいいと思ってます。

    • 返信が遅くなってすみません。
      デイサービスは立派なお出かけですよね!
      そしてリハビリ機能もついていてお得です。
      お出かけの方法も、日常生活の送り方も、年齢や身体の状態によって違いますよね。
      そしてどれくらい付き合えるかも、家族の状況によって違う。
      介護する側がイライラしてしまうと生活の質が落ちて結局は悪循環に。
      なのでお互いなるべくストレスを減らして楽しく暮らすことが一番いいのかなあと思います。

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