母の介護度

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2013年、脳出血で倒れた母は介護保険の『要介護5』に認定された。
最重度の介護を要する、いわばトップレベルである。ほぼ寝たきりと見なされる。

デイサービスの玄関前で「いらっしゃい」をするミー先輩

介護度は1~2年おきに見直されるので、母もこれまでに2度、認定調査を受けた。
そしてなぜか2度とも「要介護5」に認定されたのだ。

私は
「これはおかしい」
と思った。
母は回復している。
とてもじゃないが寝たきりとはいえない。
要介護4にランクダウンしていても不思議ではない・・・というか、しているべきだと思った。こんな要介護5はおらんやろ。本まで書いといてナンだけど、要介護5でウィーン行ってるのおかしいやろ。
「なにかの間違いだ。区分変更をしよう」
そう思って書類を取り寄せたこともある。
だって要介護5より4のほうが自己負担が少ないから。

でも、まわりの人たちに言われちゃったのだ。
「いやあ、わりかし5だよ?」
って。
「介助量は、やっぱり多いよ?」
「家族が思うほどには変ってないよ?」
・・・え?

母はいまだでも寝返りが打てないし起き上がれないしトイレは頻回だ。介助をすればなんとか手すりにしがみついて立てる、といっても20秒くらい。ウィーンへ行くためにリハビリを頑張っていた頃に比べればむしろ落ちている。褥瘡ができなくなったのはただ「太ったから」。肉布団って大事。

家族としては元気になった回復したと思ってても、客観的に見れば、身体的には、7年前の退院当時とくらべてせいぜい
「長く座れるようになった」
という程度らしい。だから主治医もきっと「5でいいんじゃない」とか書いてたんだろう。しらんけど。

でも、できることは確実に増えた。
ものすごく増えた。
飛行機に乗ったり、普通車に乗ったり、旅行してるからね!
寝たきりだと海外に行けないでしょう普通?

「それは、できるできないでと言うより、あなたが『させている』だけ。お母さんと同じ状態でも介護者しだいでは『寝たきり』になるのですよ」
・・・えっ!?
私のせい!?

まあ、考えてみればそうかもしれない。
退院直後でヘロヘロの時から私は遊びに連れ出してたし、家事もさせたが、それは「できるから」ではなく、私が「やらせてた」だけ。
母と私の連携プレーが必殺技をくりだしてるだけ。キャプテン翼のツインシュートとかスカイラブハリケーンみたいなもの。
母個人の評価はまた別なんだって。
しゅん・・・。

で、でも、頭ははっきりしたよ!?
要介護4と5の違いってコミュニケーションがとれるかどうかじゃない?
母は認知機能はすごーく、よくなった!
妄想だってなくなったし!
・・・なくなった?
本当に?

「見当識障害はたしかになくなったけど、作話はまだあるよね。短期記憶も問題あるし」

・・・えええー。
まあ、ないとは言い切れないですね。半側空間無視もね。今日だって、ほっといたらカレーライスのライスだけ食べてたからね。白ごはんだけモソモソ食べて、なんか可哀想なことになってた。楽譜まで読めるようになったくせに、介助がなければそんなものなんだ。

先日の記事でも書いたけど、妄想は人によって受け取り方が違う。
私はもう慣れすぎちゃって、母が少々変なこと言っててもぜんぶ流してしまう。
物忘れがあっても妄想をみても作話があっても、問題にならないどころか、気づいてさえいない。
むしろデイの職員さんのほうが教えてくれて
「そういえばあれは作話だったね」
などと感心している。慣れって怖い。

でもでも、普通に会話できるようになったし!
本まで読めるようになったし!
作話といっても、被害がでるようなものじゃないし!
1時間ちょっとなら一人で留守番できるようになったし!
私、要介護4が妥当だと思うの!
主治医の先生も変更したし、こんどはきっと、いや、絶対に4!

「むしろ、3だったらどうします?」

ええええー!
下がりすぎ!
それはそれで点数が足りなくなる!

要介護度って難しい。

・・・ということで、明日はドキドキの介護認定調査です。