先月、母の担当者会議があった。担当者会議とは、母の介護に携わる人たち(ケアマネさん、デイサービス施設、ヘルパー事業所、福祉用具業者さん)が集まり、情報交換や話し合いをするものだ。
そこで挙がったのが
「トイレが頻回で困る」
という問題。
頻尿で多尿の母は暇さえあればすぐにトイレに行きたがる。へたをすると10分おきに「トイレに行きたい」と訴える。といっても自分で行けるわけじゃないから、職員さんの介助が必要だ。人手不足の折、そう頻繁にトイレトイレといわれても、手が足りないのが実情だ。「どうすればいいでしょう?」
話し合いの結果、すべての施設で
「トイレは1時間おき」
と足並みをそろえることに決めた。
1時間ガマンできたらだんだんと間隔をのばして行きましょうと。
だがこれが悪かった。
本人の前で話し合うべきじゃなかった。
母は
「そんなこと言われたって行きたくなるんだから仕方ないでしょ!連れてってくれたっていいじゃないの。なによ、私ばっかり悪いみたいに」
とプリプリ怒っていたのだ。
母は今さっきトイレにいったばかりだということも忘れているのだから、自分ではどうしようもないところがあるのだ。
あれから一月。
案の定、うまくいっていないようだ。
デイサービスの連絡帳に
「トイレが頻回すぎてとても困っています」
と書かれてしまった…。
しかも、トイレに行っても出ないし、我慢させていると出るのだという。リズムが狂いっぱなしなのである。人手不足なのも、トイレ介助が大変なのも、すごくよくわかるから、メモを見て申し訳なさのあまり苦しくなるくらいだった。
「お家ではどうされていますか?」
とメモには書かれていた。
家では?
家ではもう、頻回ではないのだ。
家では、昔みたいにトイレトイレということはほとんどなくなった。時間を決めていなくても、だいたい2時間くらいはもつ。家では我慢できるのに、どうしてデイへ行くと頻尿が戻ってきてしまうのか、わからない。
母は最近よく怒っている。
「なかなかトイレに連れていってもらえない。あの人たちの仕事なのに」
それからこんなことも言う。
「『我慢して』って言われると、逆に行きたくなるよ」
そりゃそうだなと思う。
家では我慢できるのだから、これはもう精神的なものだと思う。
家では
「いつでもトイレに行ける」
と思い、トイレのことを意識することなくリラックスして過ごすことができる。
だがデイサービスへ行くと、お風呂やリハビリやレクでばたばたしているから
「今のうちにトイレに行かなくちゃ」
と思ったり、職員さんがなかなか連れていってくれないという想いから、逆に
「行きたい!」
って思ってしまうらしい。
難しい・・・
「トイレに行きたいのに行けないのって、ものすごーくつらいのよ」
と母は言う。
「我慢してって言われるのがどんなにつらいか、あんた分からんでしょ? 私はただトイレに行きたいだけなのに」
家ではわりと放置されているから「我慢して」って言われることもない。デイだと常に職員さんがそばにいるから、「今のうちに」と思い立ったときすぐに頼んでしまえるのも理由の一つかもしれない。
私はデイの職員さんにお手紙を書いた。
「我慢して」は逆効果なので言わないでください。
「次のトイレは◯時」のほうがマシなようです。
頻回なときは本を与えてください、本を読んでいるあいだはトイレのことを忘れますから。
手紙を書きながら思った。
母が近頃デイサービスへの拒否感が強くなっている理由は、トイレを我慢しって言われるせいかもしれないな、と。職員さんと母と、どちらにとっても負担なら、デイサービスの使い方そのものを考え直したほうがいいのかもしれない。困るけど。
本日の猫写真。
・・・ふみふみ中ですが、何か?
コメント
強迫観念というか自分で自分に暗示をかけてしまっているパターンですね。
うちのじじさまとばばさまは1Fのトイレを使っていましたが、暇さえあればガーガー寝ているじじさまが、ばばさまがトイレに入り、ドアがかちゃっと閉められる音がした途端、目を覚まして「トイレ先入られた、まだ出ないのか、トイレ使いたいのに、おい早く出ろよ」と大騒ぎしてました。
ばばさまが外出中、ワタシがトイレットペーパーの補充でトイレドアを開閉してたら、いつものようにばばさまが先にトイレ入ったと思ったらしく、「トイレ先入られたー!」と廊下に出てきたんですが、ばばさまじゃなくワタシがトイレットペーパーを補充して「トイレですか、どうぞ」と声かけたら、モジモジしてUターンして戻って行った事があります。
なんだよ、おしっこしたいんじゃないんですかー?と心の中で叫びました。
トイレが使えない!と思うとことさら強烈に行きたくなるみたいです。
いつでも好きな時に使えない不自由さに対する緊張というか、心理的圧迫があるんでしょうね。
スタッフさんもお忙しいでしょうが、逆にこまめに「トイレ大丈夫ですか」「いつでも言ってくださいね」「あと○分でトイレ行きましょうね」と声がけして安心感を持っていただく方がいいような気がします。
利用者はおたくひとりじゃないんですよ!と言われそうですが、緊張を持たせないようにするのも大事では。
おっしゃるとおりです!
強迫観念、まさにそれですね。
「口ではいつでもいってくださいね、って言うのに連れてってもらえない」
と母は怒ってましたから
「あと○分でトイレ行きましょうね」
がベストかもしれません。
行けないことよりも、行けることを強調するような言葉かけ。
>緊張を持たせないようにするのも大事では。
そうなんですね!
施設によりスタッフにより対応が違うと思いますので、あんまり言い過ぎないようにお願いしてみます。
ありがとうございます。
こんばんは、だださん、お疲れ様です。
うちも同じです。
母は、もうデイサービスには行ってませんが、トイレ事情は同じだったかも。
また、在宅介護で、私と姉の介護の仕方は、正反対で、私は、こまめに聞きながらあまり緊張させずに行い、姉は、ガミガミいいながら、我慢させる緊張与え方介護。
姉がいるときは、あまり言いませんが、
母は、やはり緊張を迫られるのは嫌だと言いますね。
いろいろ忙しいのは、もっともですが、
お母さんの気持ちを一番に楽にしてあげたいですよね。
ご自愛くださいませ。
ありがとうございます。
やはりけっこういらっしゃるのですね、同じような方が…
どんな人でもストレスがあると良い方向には進まないですよね…。
利用者本位のとても熱心な施設さんなので、頑張りすぎておられるのかもしれません。
お姉さまもきっと
「こうしたほうがいい!」
という想いから、逆に緊張させてしまわれたのかもしれませんね。
難しいものです…。
母的にはデイサービス自体がもうめんどくさくて
「独りで本読んでるのが一番楽やわ」
って言うんですけど、そういうわけにもいきませんしね。
まあ・・いくら仕事といえど他にやる仕事たくさんあるだろうし
他にも付き添わないといけない利用者たくさんいる中で 頻繁にトイレ介助するのは職員もきついでしょうね。
うちの親も家ではトイレが非常に近いので デイでも迷惑かけてるんだろうなあと思います。「困ってます」とは言われたこと無いですが・・
そうなんですよ。
私もデイにいるので、一人に手をとられると困るというのはもう痛いほどわかります。
なので申し訳なくて。
あ、「困ってます」というのは意訳で、実際はもっとソフトな表現でした(笑)