ウィーンの街歩きについて

一言でいうと、ウィーンはすばらしくバリアフリーな街です。人が優しい、のももちろんあるでしょうけれども、それよりも「車椅子が普通」なんです。車椅子なんてみんなもう慣れているし、普通。だから困っているとすぐに誰かが手を差し出してくれるし、声をかけてくれます。

また、日本では介護が必要な人をみると「まあお気の毒に」という目で見られることがあります。それはいたわりの気持ちなのでしょうけれども、同情は時に見下ろすことにつながります。ウィーンの人たちは、そうではなくて「おう、がんばれよ!」と手を振ってくれるんです。私が苦労していたら、「すごいね、よくやってるよアンタ!」と褒めて、励まし、応援してくれるんです。同情して見下ろすのではなく、笑顔で一緒に車椅子を持ち上げ、段差を乗り越えてくれる。タクシーの運転手さんが、そうじのおばちゃんが、観光地の係のおじさんが…その笑顔は日本では経験したことのない、とても嬉しいものでした。