イタリア

ナポリを見て

 『ナポリを見て死ね』
って言葉がある。
これはもちろん
 「死ぬまでに一度は美しいナポリを見ておけ」
という意味。
たぶん。
だから2010年にイタリアを訪れたとき、ちょっとわくわくしてた。
アフリカから北上するに従って、町はだんだんとキレイに清潔になっていったから、ナポリまで来るとどんなに美しいだろうかと。
でもなんか、違った。
想像と違った。
街並みはたしかに美しいのだけれど・・・
ナポリの町
街路は、ゴミだらけだった。
ビニールや空き缶や紙屑が路上に散乱。
雨が降るとプカプカ浮いて流れてくる。
ところどころに巨大な三角錐をしたゴミの山ができている。
崩れてきたらどうしようって思う。
しかも臭う。
ナポリの裏町は、エジプトの裏町とよく似ていた。
これは移民が多いからだと思う。
ナポリから地中海をわたればすぐアフリカだ。
仕事を求めてイタリアへ来る人が多いんだろう。
港に近づけば近づくほどアフリカ人の割合は増え、極彩色の民族衣装を着た人や、太鼓を叩いている人にもたくさん出会う。
そしてアフリカから来たばかりの彼らの中には、「ゴミはゴミ箱へ」っていう習慣を知らない人がいるから、ナポリの裏通りはイタリアというよりカイロみたいになるのだった。
ハーバー
だけど私は、ナポリが好きだ。
ゴミだらけだった。
治安も悪かった。
だけど、だからこそ落ち着けた。
ヨーロッパの気取った雰囲気がなく、中国人もたくさんいたから、入っていきやすかった。
私もここにいていいんだって思えた。
ナポリ湾
・・・でもこのあいだ、ナポリでゴキブリが大量発生した、ってニュースを見た。