オーストリア

ウィーンで半泣きSkype

ブダペストから列車でオーストリアを目指した。
列車での国境越えも慣れたもので
国境が近づくとパスポートを取り出して待機してた。
もちろん、出入国の手続きをするために。
係員がまわってきてスタンプをポン!と押してくれるんだろうと思ってた。
ところがだ。
誰も来ない。
何にもない。
出国も、入国も、なんにもやってもらえない。
まわりは白人ばかりで
外国人観光客は私だけ。
私は不安に襲われた。
どうしよう!
どうしよう!
ハンガリーの出国スタンプも
オーストリアの入国スタンプも
何もなしでウィーンに着いちゃうよ!
これって不法入国だよ!
『都会のクールな白人』にすっかりびびっていた私は
まわりの人にきくこともできず
携帯で日本の友達にメールを送った。
 「出入国の手続きしてくれないんだけど、どうしよう!
  私、不法入国でつかまっちゃう!」
即行で返事がきた。
 「大丈夫。
  ヨーロッパはEUになってからスタンプなくなったから。」
あ、そっか~。
な~んだ~。
今更ながら、すごく初歩的なことも知らずにヨーロッパに来ちゃってることに気がついた。
メールの相手は、Aさん。
もとは仕事の先輩だったが今では年上の友達で、
旅のあいだずっとネットでやりとりをしていた。
まるで下調べもせずにヨーロッパに来ちゃった私にとって
何でも教えてくれるAさんは強力な助っ人だった。
ウィーンに着いてすぐ、ネットカフェを見つけたので
とりあえずAさんにスカイプで電話をかけた。
Aさ~ん、お久しぶり~。
 「おう、お疲れ!」
その言葉は、仕事場でずっと聞いてきた声で、ずっと聞いてきた言葉だった。
ヘッドフォンの向こうに日常があった。
けっして帰りたいわけじゃないけど
戦わなくてもいい日常が。
いろんなことに安心できる日常が。
・・・疲れたよ、ほんとに疲れた。
気がついたら半泣きになって
べそべそ愚痴をたれていた。
予想外の寒さで風邪をひいたばかりか
クールな白人とどう接したらいいかわからなくて、
身も心も財布も、すっかり冷え込んでいたのである。
Aさんはきいてくれた。
ウィーンでソーセージ
ネットカフェを出たら青空が広がっていた。
私は元気をとりもどし、ソーセージを食べて、ウィーンの町にくりだした。
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ウィーンで半泣きSkype” に2件のコメントがあります

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    EUになってから、じゃないと思うんだけど?
    1986年に(古いな!!)ユーレイルパスで回った時
    もスタンプ一切ナシ。
    ヨーロッパばかり行ってた頃はそれはそれは
    きれいなパスポートでした。
    今はどこにも行かずきれいです・・・(わ~~ん)

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >売布の住人さん
    あ、じゃあ私の聞き違いですね(笑)
    ハンガリー入るまでは普通にスタンプが必用なのですが、EUの真ん中へんまでくると緩いんですね。
    世界が平和で健康でさえあれば、売布の住人さんもきっとまた旅立てる日が来ますよ!

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