エクアドル

思わず絶叫!恐怖の夜

イサベラ島には日本人に人気の宿があると聞いていた。
親日家のおじいちゃんが経営する宿で、シングルルームが一泊10ドル。
 「ゼッタイおすすめ!」
 「港まで客引きにきてるから、ゼッタイに会えるよ!」
というクチコミだったが、
人生にゼッタイは無いのである。
私が島に着いたとき、親日家のおじいさんどころか
客引きはたった一人いるだけだった。
他に宿のアテもないので、同じボートに乗り合わせた韓国人といっしょに客引きについて行くことに。
案内された宿は、村はずれの、立派な民家を改造したホテルだった。
 「1泊35ドル!」
と言うのを2人がかりで値切って
シングル1泊10ドルになった。
イサベラ島のホテル
清潔で広い部屋。
目指していた宿とは違うけど、同じ10ドルで泊まれてご機嫌だった。
まさか、あんなことになるとは想像だにせず。
その夜のことだ。
灯りを消し、ふかふかのベッドで寝ていると
 ぷう~~~ん
蚊だ。
暗闇を、蚊がとんでいる。
耳のまわりをとんでいる。
 バシッ!
と潰して寝たが、すぐに
ぷう~~~ん
また、蚊だ。
 バシッ!
叩くと、また
 ぷう~~~ん
 バシッ!
 ぷう~~ん
 バシッ!
 ぷう~~~ん
叩いても
叩いても
蚊がつぎつぎにとんできて、眠れない。
いったい何匹おるねん!
電気をつけた。
そしたら。
壁一面が真っ黒になるほど、蚊の大群で埋めつくされていた。
天井は、茶色い。
無数のガで茶色く埋めつくされているからだ。
私は虫の大群の中で眠ろうとしていたのだ。

 「ぎゃーーー!」
思わず絶叫。
蚊や蛾なんて怖いもんじゃない。
ただ、こんなにたくさんの蚊を見るのはインド以来ひさしぶりだし
何より私は虫が苦手だ。
これでは眠れない、と思ってると
 トントン・・・
ドアをノックする音。
 「大丈夫?」
あらわれたのは、宿のオーナーの奥さんだった。
私の情けない悲鳴を聞きつけたらしい。
奥さんは、悲鳴の理由を知っていた。
 「まず、窓を閉めて。
  それからコレ使って。」
そっと差し出してくれたのは、殺虫剤のスプレー缶。
何も言わないでも事態を察したところを見ると
今まで何人もの旅行者が同じ悲鳴をあげてきたのだろう。
戸締りのときには気づかなかったのだが、
たてつけが悪くて閉まりにくい窓があった。
そこをきっちりと閉めなおし、殺虫剤をスプレーしまくった。
目を閉じ、タオルで鼻と口をおおって、部屋中に殺虫剤をまきちらした。
阿鼻叫喚の後。
部屋の壁も天井も、もとの白い色をとりもどした。
シーツを一振りして死骸を落とし、ベッドに戻った。
眠りにおちるときはまだ、
部屋のそこここで断末魔の羽音がカサコソと聞こえていた。
・・・朝、床がどんな惨状を呈していたかは、書くのをやめておく。
白い花
(お口直しに白い花を載せてみました)
生物が豊かということは
虫だって豊かだということです。
当たり前のことなんです。
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思わず絶叫!恐怖の夜” に9件のコメントがあります

  1. SECRET: 0
    PASS: 10e0f108dc7596311c3513de3990925b
    うぎゃ~、もう絶対ガラパゴスには行かない。
    この夏ムスタンで馬ダニにやられて脚が水玉になっちゃったし。

  2. SECRET: 0
    PASS: 2e575626d320874457c0a341cb184042
    虫が大っ嫌いな私としては、もう失神しそうな状況です。
    私、殺虫剤使ってもその部屋で眠れるかどうか自信ない…。
    「シーツを一振りして死骸を落とし」…
    いやああああああ!!!
    私もエルサルバドルやスロヴェニアの山の中で灯りにたかってくる虫に発狂寸前の思いをさせられました。
    緑の豊かな美しい場所って、そういうことなんですよね…。

  3. SECRET: 0
    PASS: f46ed6e06e106bfbbdc3254078c62879
    やはり海外旅行って 異常事態が憑き物ですね~~!!
    「世界遺産楽園のガラパゴス諸島」なのでしょう?
    イグアナの群れに蚊・蛾の大群が部屋の中に!
    想像しただけで鳥肌たちます!!
    だださん達、海外一人旅の人達は度胸第一ですね。

  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    まるでホラー映画の一場面を見るようだ・・・[絵文字:v-399]
    これは怖い・・・
    壁一面が真っ黒になるなんて考えたくもないです[絵文字:v-40]

  5. SECRET: 0
    PASS: 33d62141821cb7df4596bf3497dd470a
    うわ・・・それほどだとは!
    私も 昔 なんとロシアの夏に蚊に悩んだことはあるけど・・・そこまではね~。
    壁の色が変わるほど 恐ろしい光景です。
    と言うか、宿のひとは 客をなんと心得ているのか・・・ナゾだなぁ・・・。

  6. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >luntaさん
    ヒマラヤなら虫はいないかと思っていたのですが・・・ダニはいましたか。
    蚊もダニも痒いのは嫌だな~。
    >ようめさん
    ようめさんは強いと思ってたのに~!
    虫ダメなんて意外です。
    海外じゃなくても、日本だって山の中で窓をあけて寝たら同じことになるでしょう。
    自然が豊かだってことです。イヤだけど。
    >徒然草さん
    度胸って~!(笑)
    徒然草さんだって十分自然の中で暮らしてるじゃないですか~!
    イグアナはともかく、夏場に網戸をあけて寝たら同じことになりますよきっと。
    人間もまた虫と同じ自然界の生き物ですね。
    >なごやんさん
    アリだったらヒッチコックの黒い絨毯になっちゃうんでしょうね。
    コガネムシの絨毯には日本で出くわしたことがありますが。

  7. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >霧のまちさん
    蚊は世界中にいるもんですねえ。
    宿の人は、値切ったからいい気味だとでも思ったのかな?
    でも殺虫剤くれたし、虫の死骸掃除もしてくれたので、安宿のわりには良いサービスでしたよ。
    窓が閉まらないことを事前に教えてほしかったけど(笑)

  8. SECRET: 0
    PASS: bd41bd935604097ee3b00fce68c55344
    ひょえー。そんな数に吸血されたら、全身の血が無くなりそう。
    宿のおばちゃん、網戸設置するか、蚊帳をつけて!
    綺麗な宿なのに、残念宿ですね。
    ガラパゴス諸島。行ってみたいなぁ。

  9. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >もんこさん
    それがほとんど刺されなかったんですよー。
    私の血が好みじゃなかったのかなあ。
    窓を閉めればいいって思ってるから、網戸っていう発想はなさそうです。

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