有名な観光名所であり
その国のお札の絵柄にもなっている。
なのに観光客からは
「こんなんで入場料とるなよ!」
っていわれてる。
・・・あんまり評判悪いから、行ってみることにした。
ジンバブエのバランシング・ロック。
首都ハラレからバスに乗る。
9人乗りのワゴン車に20人、ぎゅうぎゅう詰めに押し込まれて乗る。
都会をぬけだししばらく走ると、岩だらけの草原が広がっていた。
「バランシング・ロック!」
隣席のおばさんが嬉しげに、お札の絵と岩を交互に指差して微笑んだ。
・・・あ、ここなの?
降ります降ります。
で、バス降りてもなんにもない。
畑と、草原が広がってるだけ。
そして岩がゴロゴロしてるだけ。
ただよく見ると、草原の一部が金網で囲われていて
そこにゲートらしきものが設えてあった。
「入場料:10ドル」
「こんなんで10ドルもとるなよ!」
金網の内も外も同じ景色。
どう違うのかわからない。
金網をくぐるだけで10ドルは高すぎではないだろうか。
だけどせっかくだから入ってみた。
バランシング・ロックはその名のとおり
いくつもの岩が積みかさなり、不思議なバランスを保ってる。
卵のようなもの。
キノコのようなもの。
冗談みたいにきわどいバランスで崩れずに立っているもの。
まるで巨人の積み木だ。
でも、まあ、岩は・・・岩だ。
金網の外にも同じ景色が広がっているし
ここまでくる道中にもたくさん似たような景色をみた。
とくに美しい景色ではない。
そのとき、雨がやんだ。
3月のジンバブエは雨季で、毎日ずっと雨ばかりだったから、それは奇跡に近い幸運だった。
青空がひろがると、そこはすばらしい場所になった。
丈の高い草たちに囲まれ、巨大な岩たちは沈黙をつづけている。
花たちも静かに揺れている。
鳥たちだけがぺちゃくちゃといろんな声でおしゃべりをしている。
空は真っ青で、動きの早い白雲が流れていく。
観光客は誰もいない。
私ひとりだ。
私ひとりでここに立ってる。
岩が、笑っていた。
あんまり気持ちがよかったので昼寝をすることにした。
岩床にごろりと横になる。
目をつぶる。
お日様がまぶしいので帽子をかぶる。
聞こえてくるのは小鳥のおしゃべり、鶏の時をつくるこえ、それから遠くに人々の話し声。
なんだかしらないけど、ジンバブエって最高だ。
岩は静かに笑っていた。
— ジンバブエ —
笑う岩たち…ジンバブエのバランシング・ロック
2011年12月20日
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あんまり評判悪いから行ってみて、10ドル高すぎ、とか言いながら払っちゃうって(笑)、だださん、素敵すぎます。
でもなんとなくわかる気もします。
人の意見を鵜呑みにしたくないのかな。
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確かに高い! でも寝そべるほどリラックス出来たんだから よかった!
微妙なバランス・・・ゴロンときそうですね。
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>luntaさん
「すごくつまんないよ」って言われると、どこまでつまんないのか気になりません?(笑)
『世界三大ガッカリ』とか失礼ないわれ方をしているものも、行ってみれば楽しいんですよね。
>霧のまちさん
ゴロンときそうでこない、不思議な岩群なんです。
10ドルはぼったくりの極みでしたが、ほとんど観光客は来ないみたいだったので、寄付だと思うことにしました。
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一枚目の写真から、すごい良さげなとこだと思いました。好み好み
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>T美さん
うん、T美さん好みだと思いました。
大勢でがやがや行っても楽しくはない所かも。