皆さんは「カップ・アンド・ボール」をご存知だろうか。
日本では手品として知られている。
コップを3つテーブルに伏せ、
その中のひとつに小さなボールを入れる。
ぐるぐるとコップの位置を変え
「さあ、ボールはどこだ?」
と問いかける。
コップを全部開いてみると、不思議なことにボールは消えている、というもの。
ジンバブエはこれが賭博として行われていた。
手品みたいに消えたりせず、ボールがどのコップに入っているかを当てるゲームだ。
路上にずらりと並んだ屋台のなかで、この賭博テーブルがいちばん繁盛していた。
買い物帰りのおばさんや若い兄ちゃんたちが、真剣な表情でカップの動きを見つめている。
ところが・・・驚いた。
コップの動きがあまりにも
あまりにも
あまりにも
あまりにも!
遅い。
なのに、なぜか、みんな当たらない。
コップの動きを見切れなくて間違ってばかりいる。
どういうことだろう?
こんなの簡単なのに・・・。
私は賭けごとはやらない主義だけど、
隣りにいたおじさんに答えを教えてあげた。
「右だよ」
当たった。
次も当たり。
その次も、次の次も当たり。
「おいおい、君、すごいな」
まわりがざわめきだした。
「魔法使いじゃないのか?」
いや・・・
当たらないほうが不思議なんですが・・・
戸惑っていたら、同じように観戦していた男が教えてくれた。
「僕にもコップの動きが完全に見えている。
僕らと他の人たちとは、目が違うんだよ」
彼はスーツを着ていた。
都会から来た証拠だ。
都会や日本には動くものがたくさんある。
車、電光掲示板、ゲーム、エスカレーター。
町のすべてがくるくるとせわしなく動いている。
そういうものに目が慣れているからコップの動きを見切ることができるのだろう。
のんびりと暮らす田舎の人とは見える範囲が違うのかもしれない。
(ジンバブエ・ブラワヨのメインストリート。
by POCKET DIGITAL CAMERA SQ28m )
私の手伝ってあげたおじさんが勝ち続けるので
賭博屋台のオーナーが不機嫌な顔になってきた。
しまいに
「日本人は口をだすな!」
と言い、おじさんがそれに反論し、揉め事に発展しようとしたそのとき
「警察だ!」
誰かが怒鳴った。
おまわりさんが走ってくる。
違法賭博を取り締まりにきたのだ。
テーブルは一瞬で畳まれ、客は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
正解を教えてあげたおじさんは去り際に、
「分け前だ」
と10ドル札を1枚くれた。
後日、イタリアのナポリでも同じ賭博を見かけた。
だけどそれは完全にイカサマだった。
客が金を賭けてから、こっそりボールの位置を変えるのだ。
あれでは勝てるわけがない。
どちらにしても、賭け事なんかするもんじゃないと思った。
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— ジンバブエ —
儲かった!?路上で賭博「カップ・アンド・ボール」
2011年11月19日
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いやぁ、面白い~!
環境が違うと こうまでヒトって変わってくるんですね。 ゆっくり動くコップが目に見える~!
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そんなに分かっちゃう賭けはやりたいです(゜∀゜)金が欲しい・・・
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>霧のまちさん
アフリカの人って目がいいはずなのに不思議でしょう?
動物とかの動きは見えると思うんですが。
>海坊主さん
お金は、楽して稼ぐものじゃありません!(笑)