ガラパゴス諸島はエクアドル領だが
ペルーにも
　「リトル・ガラパゴス」
と呼ばれる島がある。
ガラパゴスみたいに動物や鳥がたくさんいて
ガラパゴスよりもずっと安く、手軽にいける島。
『本物』に行く余裕のない旅人たちが訪れるため
　「貧乏人のガラパゴス」
なんて失礼な名もついている。
正式名称はパジェスタス島。
島というより、大きな岩がいくつも浮かんでいるところだった。
ボートで近づいていくと
岩山の表面が小さな点々でびっしりと埋め尽くされているのが見えた。
あれは何だろう？
「ギャアギャア」と声が聞こえてくる。
それは無数の・・・鳥だった。
おびただしい数の鳥。
海鳥。
何万羽？
何百万羽？
見当もつかない。
バジェスタス島は水鳥に埋めつくされた島だった。

（鳥の群れる岩。ほとんど撮る気も起こらない）
いろんな種類の鳥がいる。
海鵜、ペリカン、カツオドリ、アジサシ。
それからフンボルトペンギンも。
ボートの客たちは歓声をあげ
ものすごい望遠レンズをのばして写真に撮ったり
双眼鏡で観察したりしていた。
けれど私は
ハッキリ言って
怖かった。
鳥は好きだけど
これはいくらなんでも多すぎだ。
リトル・ガラパゴスでこれだから
本物のガラパゴスに行ったら吐いちゃうかもしれないと
新たな悩みを抱えながら島を去ることになった。
あ、鳥だけじゃなく、オタリア（アシカ）の群れもいた。
岩場でごろごろ重なり合って昼寝をしてた。


整列するペリカンに免じて
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