16世紀、インカ帝国はスペイン軍に屈し
首都クスコはフランシスコ・ピサロの手に陥ちた。
この町はスペイン人の憧れた黄金の都だった。
入城したピサロが見たものは
ぶあつい黄金に覆われ、太陽にまぶしく照り輝く「太陽の神殿」だった。
スペイン人はクスコを破壊し、スペイン風につくりかえた。
オレンジ色の屋根に白い壁というコロニアルな建物が今でもならんでいる。
だが礎は残された。
黄金に輝いていた「太陽の神殿」はカトリック教会に建て替えられたが
スペイン風の回廊のむこうに
緻密でなめらかな壁が見える。
インカの壁だ。
インカの石組みの緻密さは有名で
「カミソリ1枚も通さない」
と表現される。
ネタになるかと思い
「紙なら通る」
とつっこんでみたんだけど
実はこれ、隣りの隙間にはぜんぜん入らなかったのだ。
継ぎ目がわからないほどなめらかな壁さえあった。
インカ人、凄すぎる。
12角や14角の石が組まれているところなんて、ほとんどパズル。
ややこしい形にする必要はべつにないわけだから
石工たちが腕試しにつくったのだとしか思えない。
「この仕事は俺にかできない!」
と、腕を誇った誰かがいたのだろう。
スペイン人がこれらの石組みを
壊さなかったのか
壊せなかったのか
どちらかわからないけど。
国は滅びても
職人魂は生き続ける。
上の建物が地震で崩れても
石組だけはビクともしなかったように。
芸術的な石組みを観るために
世界中の観光客がやってくるのだと知ったら
滅びた帝国の石工たちは、きっと胸を張るだろうな。
インカの職人魂に免じて
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— ペルー —
不滅のインカ魂
2011年8月9日
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凄い石組みですね~、やはり。
感動です。 紙を入れてみたのね。
よぉく解かって正解です!(笑)
ホント、パズルですよね。 腕試しでしょうね。
日本の城の石組みも よく言われますが
インカには負けてる!!
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あらっ インカ帝国って時代的に新しいのですね?
私 てっきり紀元前の時代かと・・・
だださんのブログで歴史の再確認ですよ。
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>霧のまちさん
日本の石組みも美しいですが
ぜんぜん雰囲気が違ってもっと数学的なんですね。
完璧主義というか。
逆に隙間を探したくなります。
>徒然草さん
はい、インカが滅びたのは16世紀です。
古代からいろいろな地域で様々な文化が栄えていたのですが
それを最後に統一したのがインカ帝国でした。
南米の歴史って日本の学校では習いませんから私も現地で初めて知ったことばかりでした。