ボリビア

空に浮かぶ不思議な山

アンデス越え・ウユニ塩湖行きツアー(5)
ツアー2日目。
昼ごはんのあとで
ドライバーのサンチャゴが
 「さあ、ウユニへ行くぞ」
と宣言した。
・・・ウユニ!
それは単なる地名じゃなかった。
ツアーの終点であり
目的地であり
何より私の夢だった。
写真で一目惚れしてから
ずっとずっと行きたかった、夢の場所。
空と水の絶景。
ウユニ塩湖。
 「うおおお、待ってろよ、ウユニいいいい!」
興奮したのは私だけじゃない。
チリ人たちもみんないっしょに雄叫びをあげた。
 「ヴァモス(行こう)!!!」
しかしウユニは遠かった。
何時間もジープでガタガタ揺られるうちに
みんなぐっすり寝入ってしまった。
どれくらい眠ったのだろう。
目が覚めたとき
風景は今までと変わりない砂漠だと思った。
だが・・・何かがおかしい。
何かが変だ。
地平線に目を凝らすと
山が、浮かんでいた。
浮かぶ山
(浮かぶ山)
どうやら寝ぼけているらしい。
目をこすり、しばらく考える。
それでも景色は変わらない。
山が宙に浮いている。
なんで山が・・・。
山?
いや、島か?
ああ、そうか。
蜃気楼だ。
水平線に蜃気楼が浮かんでいるのだ。
・・・水平線?
 「ねえサンチャゴ、もしかして?」
声をかけると、運転手はごくフツーに
 「うん、あれ、サラル(塩湖)」
と顎で指した。
つまり・・・宙に浮かんでいる不思議な山は
ウユニ塩湖の蜃気楼に浮かびあがった島だったのだ。
南北100キロ、東西250キロにも及ぶドでかい湖の一端に
私達はようやくたどり着いたということだ。
 「塩湖キターーーーーーー!」
と、みんなで盛り上がったのも束の間。
 「サラルに行くのは明日だから」
あっさり却下された。
うそつきツアーのくせにスケジュールというものが存在するらしく
町で一泊してから
明日の朝、塩湖に行くのだと申し渡された。
明日はやっと、ウユニ到着編です。
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空に浮かぶ不思議な山” に2件のコメントがあります

  1. SECRET: 0
    PASS: 33d62141821cb7df4596bf3497dd470a
    ああ・・・ウユニは待たせてくれますね~。
    でも 読んでる私までが ドキドキ ワクワク !
    南米は広いなぁぁぁぁぁぁ。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >霧のまちさん
    なかなか着かなくてね(笑)
    ほんとに世界は広いです。

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