ボリビア

あるとき、砂漠の真ん中で

アンデス越え・ウユニ塩湖行きツアー(2)
ジープは丸2日間、砂漠を駆け抜けた。
舗装道路なんかない。
アスファルトなんかない。
そもそも「道」というものがない。
岩と砂と、轍があるだけだ。
ガタガタガタガタ、揺さぶられていく。
だんだんだんだん、空に近づいていく。
天空に近づくジープ by ViviCam5050
あるとき、砂漠の真ん中で
故障車に出会った。
この世の果てみたいな所でエンジンがいかれて
立ち往生している車。
運転手も乗客も狂喜した様子で私たちに手を振ってくる。
 「これで助かった!」
と思ったのだろう。
休憩中ジープ by ポケデジSQ30m
だが現実は厳しかった。
運転手どうしの会話は簡単明瞭。
 「あれ、持ってるか?」
 「持ってない」
それで終わり。
うちの運転手は故障車に貸してやる予備の部品を持っていなかった。
助けてやれないのだ。
ケータイはもちろん圏外だ。
文明からも圏外だ。
次の車が通りかかるのを待つより他に術はない。
果てしない砂漠
彼らがどうなったのかは知らない。
幸い、私たちのジープは故障しなかった。
出発前、旅行会社のおっさんは
 「3~4時間ごとに清潔な水洗トイレに案内する」
と豪語していたが
そんなものがあるはずもなく。
やっぱり野トイレ、青空トイレだ。
あるとき、砂漠の真ん中で
廃墟を見つけた。
何のためにつくられたものか誰もしらない。
誰にもわからない。
朽ちた壁だけが残された、荒れ放題の廃墟。
それを見た私たちは全員
異口同音にこう言った。
 「あ、ここがトイレなのね。」
廃墟 ポケデジSQ30m
やっぱり壁があると嬉しいもんだ。
有名なトイレスポットらしく先客の跡がいっぱいあった。
・・・ごめんなさいね、昔の人。
明日は砂漠の絶景をお見せしようと思っています。
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あるとき、砂漠の真ん中で” に3件のコメントがあります

  1. SECRET: 0
    PASS: 33d62141821cb7df4596bf3497dd470a
    わぁ~ 凄いなぁ、だだっ広い砂漠。
    こんな場所を長く走るんだから クルマは故障なしと
    行きたいもんだね。
    海外の行程では クルマの故障って当たり前みたいに
    出て来る。 だけど 日本のハナシには出てこない。
    日本車を使え~~ってこと。 ネ!
    アレは 素晴らしいトイレです。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    大きな起伏もなく、地平線が一望できる青空トイレは
    落ち着かない限り、と思います。
    壁一枚が”天国と地獄のわかれ道”的な希少価値
    があるのでしょうか。
    砂埃の道なき道を2日間の走行は想像できませんが
    ジープは荷物とツアー客で一杯で、夜は満天の星を
    見ながら砂漠の上で寝るのでしょうか。

  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >霧のまちさん
    電化製品とかもそうですが、今だけは壊れてほしくないっていう時に限って故障するんですよねー。
    砂漠を走る車の半分くらいは日本車だったように思います。
    トヨタマークをつけているだけのニセ日本車かもしれませんが
    やっぱり日本車への信頼は厚いようですね。
    >にしかわさん
    砂漠の上で寝るのはエジプトでやりましたが
    アンデスの山はものすごく寒いのでちょっと無理です(笑)
    旅をしていると青空トイレは珍しくないけれど
    あまりにも隠れるものがないと女性はちょっと困ります。
    男性はどうなのかな?
    壁一枚がほんとに貴重でした。

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