旅のスタイル

旅の天才

南米で出会う旅人のほとんどが世界一周組だったけど
 「俺、これが初めての海外なんです」
という若者にも出会った。
イースター島の空港で知り合ったM君。
初海外が南米一人旅ってちょっと珍しい。
彼は英語がダメだった。
ほんとにまったくダメだった。
私より喋れないバックパッカーなんて滅多にいない!(失礼)
もちろんスペイン語なんて全然だ。
初めての海外旅行で
英語も喋れなくって
それで一人でどうやってここまで旅してきたのだろうと不思議に思った。
だけど、じきにわかった。
彼は天才だった。
ひとを笑顔にする天才。
といっても、彼はとくに何もしない。
ただ笑ってるだけ。
微笑んでるだけ。
ただそれだけで、
宿のオーナーも
食堂のおばちゃんも
道ですれちがった人までもが
彼に微笑みかけ、親切にした。
ロシア人旅行者と出会って2秒で笑いあい、
 「ボルシチ!」
    「スシ!」
 「ピロシキ!」
    「テンプラ!」
 「ウォッカ!」
    「スキヤキ!」
料理名のみで友情が結ばれちゃったのを見たとき
なんだか「負けた」と思った。
どんなに旅をしても旅をしても
私は絶対に彼のようにはなれないだろう。
自称「コミュニケーション能力の高い旅人」にはたくさん会ってきたけれど
そのうちの誰ひとりとして
初海外の彼にはかなわないだろう。
 「M君は、『もってる』よね」
いっしょにいたKさんが言った。
そのことを本人に話したら
 「俺、英語ダメだから。
  とりあえず笑っとくしかないでしょ」
と照れてまた笑った。
サンティアゴの露店市
(笑顔をふりまいて試食しまくったメルカド・VQ1015 R2)
旅に難しい言葉なんていらない。
技術なんていらない。
笑顔と好奇心と、ちょっぴりの用心深さがあればいい。
だいぶいいトシこいちゃって
旅する国も40カ国目くらいになっちゃって
今さらながら大事なことを思いださせてくれた出会いだった。
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旅の天才” に2件のコメントがあります

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    M君に乾杯!
    自分の言っていることが通じるかな?
    相手の話が理解でき、すぐに返事ができるかな? 
    結局は会話をせず、挨拶程度で後悔することが
    たびたびあります。
    ジャパニーズスマイルを全面に自分のペースで
    海外旅行をしていることに敬意を表します。
    多分、語学を学んでもピカ一に習得されると思い
    ます。羨ましい性格の持ち主です。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >にしかわさん
    そうなんですよ、構えちゃうんですよねお互いに。
    言葉が通じる通じないにかかわらず、初対面の相手には誰でもそうだと思います。
    それが一切、ない人なんです。
    だから日本でも誰にでも可愛がられているようです。
    ほんま羨ましい人でした。

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