昔の人はおおらかだったと
歴史的遺物を見て思うことがある。
インド・チベット方面にはエッチな彫刻だらけの寺があるが
実にあっけらかんとしたものだ。
それにひきかえ南米の土器ときたら、あなた!
「うお、すげえ」
思わず唸ってしまうほど。
リアルだし
立体だし
アブノーマルだし
躍動感たっぷりだし
これはもう、
・・・お子様にはとても見せられない。
と思った矢先に小学校の遠足児童がわらわらと通りかかった。
ダメだよ、見ちゃダメ!
一人で焦っていたが
先生に率いられた子供達は私の横を素通りしていった。
ああ、よかった。
考えてみれば素通りするのも当然だ。
この博物館のメインはエロい土器ではないのだから。
(シパン王墓博物館)
メイン展示は黄金である。
シパンの王墓から出土したおびただしい数の黄金製品。
たとえば、巨大な金の鼻輪とか。
…しょうもないこと、言っていいかなあ。
今まで見てきた土器はみんなお洒落だったのに
黄金になるとめっちゃセンス悪いねん。
可愛くないねん。
加工技術はすごいねんけど
「光ってればヨシ」
みたいな感じやねん。
シパンの王様は
黄金の冠と
黄金の耳輪と
黄金の鼻輪と
黄金の鎧とを身につけていたという。
あんたは人間ミラーボールかと。
もしくは地元の商店街をママチャリで駆け抜けるおばちゃんかと。
なんでそんなにギラギラが好きなんだ。
ほんと、黄金なんて、何がいいんだろう。
黄色いだけでちっともきれいじゃない。
富・権力・権威の象徴?
そんなの全部、くだらない。
ほんっとにくだらない。
昔も今も。
(トゥクメ遺跡のピラミッド)
かつての巨体なピラミッドも
今ではただの泥の山。
…シパンの王様は、あの世で黄金に囲まれているのだろうか。
本当に大切なものは、目には見えないものばかり。
蓄えることもお墓に入れることもできないものばかり…だと私は思うのですが。
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そんなにたくさんの黄金を身につけていて、王様はさぞ重かったんだろうな…と考えてしまいました(笑)。
毒が盛られたら変色するから、暗殺よけの意味もあったのかな?
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わかるー。仏像とか金ピカなのも。
でも、どこかの博物館で何千年前のイアリングかなにか見たとき、
ほかのものはボロってるのに金は金だったから
そういう永遠の感じに不思議なパワーを感じて
あやかろうとしたんですかね。