ヨーロッパ文化は興味がない、なんて言っちゃう私だが
ベネチアは楽しかった。
本当に楽しかった。
ベネチアはロマンチックな町である。
リアルト橋を目にすると、この町を舞台にした小説がいくつも頭によみがえってくる。
塩野七海の『ヴェネチアの紋章』。
コーネリア・フンケの『泥棒の神様』。
それから浅田次郎の『蒼穹の昴』もそうだ。
『蒼穹の昴』は、モバイルPCにダウンロードして
旅をしながら読んでいた。
夜行列車の中や
長距離バスが出るのを待ちながら読んでいた。
それが、たまたま!
たまたま昨夜、小説の中で、2人の芸術家が
「ヴェネチアのサンマルコ広場にあるカフェ・フロリアンでコーヒーを飲む」
という場面がでてきたのだ。
そしてヴェネチアに到着し。
サンマルコ広場に行ってみたら、あったのだ。
カフェ・フロリアンが!
実は「カフェ・フロリアン」といえばヴェネチア最古の由緒あるカフェで
カフェ・オレ発祥の地としても超有名らしいのだが
そんなこと知らない私は不思議な感動に打たれた。
これは単なる偶然ではないと思った。
さっき読んだ小説の舞台が目の前に現れたのだ!
きっとカミサマが
「この店に入れ」
と仰っているのだろう。
運命を感じた私は
ジンバブエでバンジージャンプをした時と同じ服装で
カフェ・フロリアンでお茶をした。
紳士なウェイターが優雅に勘定書きを差し出した。
サンドイッチ 13ユーロ
カフェオレ 6ユーロ
音楽代 6ユーロ
total 25ユーロ
サンドイッチとコーヒーで25ユーロ。
約3000円である。
たいした値段だ。
でも、最後の「音楽代」って何だろう?
首をかしげていたらウェイターは優雅に店の奥を指差した。
小さな舞台で小さな楽団が演奏をしている。
弦楽器がいくつか見えた。
優雅にお茶する観光客のムードを盛り上げてくれているらしい。
そうは言っても、そこはサンマルコ広場にあるオープンカフェで
猛烈な数の観光客でごった返している。
音楽なんて聞こえやしねえ。
聞こえるところまで近寄ってみると
これがまた、いまいちヤル気のない演奏なのである。
「聞いてもいないのに勝手に弾かれて6ユーロ?
それってインド商法みたいだね!」
と、とあるバックパッカーがのたまった。
いやいや、頼んでもいないのに遺跡の説明をして勝手にガイド料を請求してくるインド商法と、由緒正しいカフェ・フロリアンを一緒にしちゃいけないと思うよ。
ヴェネチアに来た!ってことを楽しむための「雰囲気料金」なのだろう。
・・・よくわかんないけど。
(サンマルコ広場も時間帯によっては空いている)
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— イタリア —
カフェ・フロリアン
2010年12月2日
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ヴェネチアにはまだ行ってないので 行きたい場所の一つです。 息子が以前 フランスに住んでいた頃 何度も行き、あそこはドブ臭いよと言ってました。本当ですか??(笑)
世界の観光地だけあって 物価高いですね~。
サンドイッチ とても素敵ですが 雰囲気も一緒に購入ですね。
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>霧のまちさん
私はそれほど臭いは感じませんでしたが…鼻が悪いのでよくわかりません。
花の都パリでさえ犬のフンで凄いと聞いたことがあるので、見た目は美しいヨーロッパも、まあ、そんなものかもしれませんね。
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13€高い!!コーヒー6€高い!!
音楽代がまともな料金に見えます。
オープンカフェの近くで、売店の
サンドイッチ3€、コーヒー2€以下を地べたに
座って食べたら・・!とかけち臭い事
考えちゃいました!
『蒼穹の昴』て、北京が舞台でしたっけ?
ヴェネチアにも行ったりするんですね。
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>もんこさん
ええ~あの音楽料金がまとも~?
だってべつにうまくないんですよ?(笑)
贅沢したのは一度だけで、あとはサンドイッチをリアルに地べたでした…
『蒼穹の昴』はほとんど北京が舞台ですが
イタリア人画家の若き日の場面にちょこっとベネチアが出てきました。