うっかり忘れていたのだが、イスタンブールでも『ひとり遊園地』を体験していた。
有名なモスクの近くに移動遊園地がきていたのだ。
メリーゴーランド、ミニコースター、ブランコ、
バイキング、そしてフリーフォール。
アトラクションも小ぶりだがひととおり揃っている。
「これ! ボクこれに乗る!」
小学生の男の子が一目散に目指したのはフリーフォールだった。
怖いぞ、おまえ大丈夫なのか、と父親が脅す。
泣いちゃうよ、と母も脅す。
「大丈夫だもん!怖くないもん!」
男の子は張り切って列にならぶ。
やがて順番がまわってきて
勇んで乗り込む男の子。
隣りにはお母さんが乗った。
昇る・・・おちる!
「きゃあー!」
「こわいー!」
「たすけてー!」
笑顔と悲鳴と歓声があがった。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
回数を重ねるにつれ、だんだん、歓声が聞こえなくなってきた。
フリーフォールといっても移動遊園地バージョンだからそんなに怖くない。
スピードも遅く高さもせいぜい2階建てか3階建てくらい。
だから。
怖くないぶん、回数でカバー。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
昇る・・・落ちる。
いったいいつまで落ちつづけるんだ。
落下が20回を数える頃になると、観ているほうが気持ち悪くなってきた。
最初のうち悲鳴をあげていた男の子も
ただぼんやりと乗っているだけになった。
頭がシェイクされてしまったのだろう。
高さもないし、ただ上下するエレベーターである。
途中で飽きてしまったので、最終的に何回落ちたのかは数えられなかった。
隣りのバイキングに目をむけると、ここでも同じことが起こっていた。
右・・・左。
右・・・左。
右・・・左。
右・・・左。
右・・・左。
右・・・左。
右・・・左。
右・・・左。
右・・・左。
途中からタイムを計ったのだが、5分を経過してもまだ動きつづけている。
大勢の子供たちが乗っていたが
歓声も悲鳴も笑いもなく
ただただ静かに座っていた。
全員が吐き気をこらえている違いなかった。
なんだか恐ろしい遊園地であった。
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— トルコ —
一人遊園地 トルコ・イスタンブール
2010年8月28日
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こんにちは。
私もゆれる・まわる乗り物が苦手です。
見ているぶんには楽しそうなんですけどね・・。
昔はマット運動の前転でも酔っていました・・。
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>ねむねこさん
こんにちは。
マット運動で酔うなんて体育の授業で大変でしたね。
私はアトラクション大好きなんですが、
あんまりしつこいとやはり気持ちが悪くなってしまいます。