トルコ

セマー・・・くるくる旋回ダンス

 「ぜひ、セマーを見てきて」
とリクエストを受けた。
セマーはイスラムの一派、メレヴィー教団という特殊な宗教のダンスである。
イスタンブールでは観光客むけのショーとして毎晩のように上演されている。
値段が高いので諦めようと思っていたところ
どうやら学割が効くことがわかった。
・・・学割。
いくら日本人が若く見えると言ったって
三十路半ばにもなって学割なんてまさか
 「OK!」
あっさり値引きしてもらえた。
父親譲りの童顔が効いたらしい。
お父さんありがとう。
行ってみると、とても小さな会場で
観客も舞台もひしめきあっていた。
セマーだけに狭ー!
・・・あああ言ってしまった。
恥ずかしいからそろそろやめようかこういうの。
で、まずは楽器の演奏から。
ギターのようなのと
尺八みたいにかすれた音の縦笛と
ピアノと琴の中間のような弦楽器、そして打楽器。
激しくも悲しい歌が高い天井にのぼっていく。
やがてダンサーが静かに入場する。
男性ばかりだ。
栗色の長い帽子をかぶり
漆黒のコートをまとっている。
4人の踊り手は横一列にならぶと
重々しいコートを脱いだ。
地上の束縛からの解放を意味する仕草だそうだ。
コートをぬぐと輝くばかりに真っ白な衣装になった。
白い上着に白いスカート。
両手をクロスさせて肩をつかむ。肩こりの人のポーズだ。
2人ずつ向かいあってお辞儀したあと
4人のダンサーはゆっくり旋回をはじめた。
白いスカートがふわりと広がる。
肩にあった手を徐々に上へとあげていく。
男たちは速いリズムにのり、くるくると回る。
くるくる。
くるくる。
目は、下をむいている。
瞑想しているようにも見える。
セマー
音楽のおわりとともに回転がやみ、
4人はもとの位置にもどってお辞儀をする。
間奏をはさんで、合計4回のくるくるダンスが行われた。
もちろん誰ひとり目を回している様子はない。
いったい、何回まわってるんだろうと思った。
ちょっと数えてみよう。
いちばん近くで踊ってる髭のおじさんをマークする。
ぶっとい口髭がこっちに向く回数を数えるのだ。
1・・・2・・・3・・・
  55・・・・56・・・57・・・
     89・・・90・・・
髭、見飽きた。
数えているうちにこっちがクラクラしてきたし。
2回目のダンスだけで150回転はいったと思う。
すごいなあ、おじさん。
だけど間奏のあいだに鼻毛をほじるのはやめてくれ。
音楽はとてもよかったし
学割で入ったんであまり文句をつけるのは気が引けますが
しょせん観光客むけのショー、という雰囲気は拭えませんでした。
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セマー・・・くるくる旋回ダンス” に2件のコメントがあります

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ダンスはともかく
    こんな音楽大好き♪♪
    海外へ行くお金があった十年前、(今は・・・泣)
    モロッコヘ行くエールフランスの機内に
    中近東音楽の専門チャンネルがあり、
    それをずーっと聴いてました。
    以来、なーんかフシギなアラブ音楽の旋律が
    グルグル頭の中を回ってます・・・

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >売布の住人さん
    見れましたか、よかったー。
    > ダンスはともかく
    ってダンスがメインだったのでは!?
    トルコってアラブじゃないんっですけど
    この音楽はアラブですね。
    アラブ音楽って癖になりますね。

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